開催したリバースピッチイベントの様子
【三菱電機さんとの共催イベント】赤外線センサMelDIR(メルダー)を使って社会課題解決をめざすリバースピッチ
https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202308240000.html
三菱電機株式会社 事業推進部 営業企画課 谷本 純也氏 × NTT西日本イノベーション戦略室 下川哲平氏
QUINTBRIDGEでの取組が社内でも評価され、共創促進の後押しとなっていると嬉しい声も聞かせて下さいました。共創のきっかけとなったリバースピッチを実施するまでの話や、大企業ならではQB活用方法や共創の難しさなど、赤裸々に語っていただきました。
大企業の新規事業開発を担当されている方、必見です。
三菱電機株式会社:https://www.mitsubishielectric.co.jp/
FutuRocket株式会社:https://www.futurocket.co/
これまでQBでの共創活動に大きく貢献頂いた人・イベント・プロジェクト・サービスを対象に、施設理念「Self-as-We」を実現するための5箇条に沿って表彰を実施。QUINTBRIDGE2周年イベントで各部門の最優秀賞を発表しました。
【Self-as-Weを実現するための5箇条】
01:ワクワク・居心地のいい場所にしよう。きっとおもしろい人に出会える
02:自分の思いをシェアしよう。個性が自然と発揮されるはず。
03:社会課題を持ち寄ろう。そこに問いと共感が生まれる。
04:ともに動き出そう。共創アイデアが形になっていく。
05:世の中に新たな価値を提案しよう。「わたしたち」で社会を前進させよう。
▶WeAward2023 ノミネート&最優秀賞決定!
詳しくはこちら:【最優秀賞決定!】We Award 2023 | QUINTBRIDGE
谷本さん 驚きました。個人の感想としましては、社外の方から評価される機会はなかなかないのですごく嬉しかったです。また、社内でも活動が評価されるきっかけにもなり、会社としてもオープンイノベーションをどんどんやっていこうという動きに繋がっています。
下川さん 評価ポイントは多くありますが、大企業がQBでリバースピッチをするという新しい取り組みに挑戦し、共創に繋げていただいた点です。大企業は組織が大きい故に、会社の中で完結できることが多く、社外との共創も「必要あるの?」と却下されてしまうことも多い。そのハードルを超えて挑戦し、先陣を切っていただきました。また、研究者の皆さんがピッチ登壇してくれたという点も面白いですよね。オープンイノベーションの新しい形だと思いましたし、他にはないユニークさを感じました。今でこそQBでも大企業のリバースピッチが開催されていますが、その先駆けとなった取り組みでした。
WeAward2023受賞式で04部門の最優秀賞に選ばれた三菱電機 谷本さん
谷本さん 同部署のある1人が、QBコミュニケーターの及部さんと交流があり、ご紹介いただいたのがきっかけです。その後、QBがオープンされた翌月に、見学に来させていただいたのが初めての訪問でしたが、「なんと素晴らしいところなんだ。」とすぐに会員登録させていただきました。最初の訪問では、部長、次長、課長など部の管理職メンバーと担当者の7〜8名でお邪魔させていただきました。
谷本さん 自身のミッションとして「事業開発でオープンイノベーションを推進する」というものがあり、同じ方向を向いて共創ができる企業との接点をどうにか持ちたいという思いがありました。しかし、どうすればいいのか分からない。そんな時にQBに来ると皆さんが「やろうぜ!」と一緒に考え・挑戦してくれる体制で迎えていただきました。
挑戦に対する皆さんの歓迎の姿勢に後押しされ、そういった思いでイベント開催を決意しました。
開催したリバースピッチイベントの様子
【三菱電機さんとの共催イベント】赤外線センサMelDIR(メルダー)を使って社会課題解決をめざすリバースピッチ
https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202308240000.html
下川さん 単なる持ち込みイベントではなく、ご相談いただき、「それならこんな風にやりましょうよ。」とインタラクティブな方法で進んでいくのがQBの特徴かなと思います。
谷本さん そうですね。実際私たちも、出来上がった企画書を持っていったというよりは、「こういった技術があるので共創したい」とお伝えし、イベントの形式を考えるところからご相談し、リバースピッチという形に仕上げていただきました。こういったざっくりとした相談から、イベントが形なったのは、QBの学ぶプログラムであるゼミへの参加をきっかけにコミュニケーターの方と関係性を深めさせていただいていたことが大きいです。今回は技術起点で「この製品を活用してほしい」という形でしたが、あまり事例がなく、弊社としても関西圏でのこういった共創イベントは初の試みでしたので、本当に一からコミュニケーターの方とともに作っていただいたイベントでした。
谷本さん イベント後の社内の反応は、めちゃくちゃ良かったです!上層部や担当者層からも反響がありました。まず感じたのは、社内に「やりたい」と思っている人が多くいるということです。ひとつ事例ができ、「こんなことができるなら、私も出たい!」という人が社内に溢れかえっている状態です。
実は弊社の半数は関西地区におり、研究所や工場が集まっているため技術者が関西にたくさんいるんです。技術者は自身の技術に自信を持っていますし、当然プライドを持って取り組んでいます。そして技術を活かしたいという思いはありますが、外部の方とお会いして議論する機会はほとんどない。そういったなか、今回の事例をお話すると「私もこの技術を持って共創したい。」という人がどんどん出てきている状況で、開催して良かったと感じています。
そのパッションを弊社内だけでは拾いきれないという課題もありますが、ここに来れば一緒にそれを叶えていただける。そういったところが大手企業にとってのQBの魅力だと思います。
大企業あるあるなのが、共創への社内の巻き込みがハードルになっているケースが多く見られますが、谷本さんが社内で意識されている点を窺いました。
谷本さん まだまだ試行錯誤の日々ですが、やはり担当者層だけでは限界があるのが正直なところで、製作側と研究側、両方の上層部の”理解者”をいかに作るかが大切だと思っています。上層の会議に参加し、取り組み内容や結果を定期的に報告したり、上層部の方に上からしっかり広めていただくなど、ボトムアップとトップダウン両方でアプローチしています。
下川さん 三菱電機の全国の支店長の皆さんが、QUINTBRIDGEに見学に来ていただいて、想定を上回る人数に驚きました。笑
谷本さん その節は申し訳ございませんでした(笑)ただ、非常に効果がございまして、我々としては大変ありがたい機会でした。営業本部には関西や中部、九州支社など全国にあり、各支社長を全員連れてきたんですね。
下川さん すごいことですよね。谷本さんがどうやって全支社長を連れてきたんだろうと当時も話題になっていました!
谷本さん 上層部の理解者を巻き込みまして(笑)お陰さまで、見学を通してイノベーションに対する意識の変化が起きました。中部支社長は見学後、新規事業やオープンイノベーションに取り組むべきだと、支社内でイノベーションプログラムを新設し、手を挙げて採択した人は予算をつけて進めていこうとスタートしています。
谷本さん 普段お会いできない方々に出会うことができました。例えば、赤外線センサMelDIR(メルダー)は、家電メーカーや警備会社など元々ルートを持っている大企業向けに営業をすることが多かったのですが、地域でビジネスされている方との接点はありませんでした。この場でしか出会えなかったのかなと思っています。
昨日も1階カフェ前で開催されているコーヒーミートアップに参加して、センサーの開発が得意な企業の方と出会い、一度お話しましょうといっていたところです。
下川さん 課題を持ち込む人の思いや熱量の高さが重要ですよね。今回の三菱電機さんのテーマを持ち込んでくださったエンジニア研究者の皆さんにも当てはまりますが、やる気が満ちあふれている。そこが成功の秘訣だと思います。
また、テーマの抽象度により集まる人の幅が変わるので、そちらも意識しています。基本的には抽象度は高く設定して、多種多様な人を集めるようコントロールしています。最近の例だと、奈良漬の社長さんが「奈良漬を作るときに出る大量の酒粕を活用したい」という課題を持って来られました。ただ「酒粕の利活用をしましょう」というテーマだと、産業廃棄物関連や食品加工業者しか集まらない。そこで一つ抽象度を上げ、『奈良県産業のサーキュラーエコノミーを作ろう』とし、プレーヤーを増やす、そういった設計をしています。
ただ、今回の三菱電機さんは、IoT企業に向けて「三菱電機の赤外線センサMelDIR(メルダー)を使って社会課題解決をしませんか?」という具体的なテーマがありましたので、大勢の参加者というよりは、共創の意志のある企業に参加いただきたく、そのまま実施しました。
谷本さん 具体的だった分、参加者数は少なかったかもしれませんが、赤外線センサMelDIR(メルダー)を使って何かしようと思っている方々に来てもらえるよう設計いただきましたので、共創に繋がったと思います。当日は、海外でセンサーを使ってハードウェアを作っている企業など、まさしく自社のハードウェアに組み込めないかというドンピシャな会社に来場いただきました。
ピッチについては、研究者や担当者の熱意ももちろんありますが、実は当日登壇した太田は、赤外線センサの開発販売の責任者でして、そういった決裁権を持つトップも「何としてもやるんだ」という思いで出てきているんです。だからこそ社内的にも前進できたのかもしれません。
下川さん 大企業が外に出て、オープンに共創を推進することが難しいということは、皆分かっていて、だからこそ三菱電機という大企業が小さなスタートアップとコラボレーションを起こしたという事例は、インパクトがありました。この事例を皮切りに、我々もよりポジティブに、会員さんが持ち込んでくれた課題や思いに対して、「だったらこういうことしませんか。」「こういう方も巻き込みませんか。」という提案をしながら、イベントやプロジェクトを重ねていきたいです。
谷本さん 実は初訪問時、新規事業の部署に異動して1〜2週間と何も分からない状況でしたが、セミナーやピッチイベントに来させていただいたり、イベント後の交流会にも参加し、さまざまな学びがありました。
また、一昨年前に『ビジネス共創アカデミー イノベーションコース(Aコース)』に参加したことも大きかったです。神戸大学大学院にて、アントレプレナーシップ・アントレプレナーファイナンス等を専門に活躍されている忽那教授の元で学べるといったプログラムでしたが、新規事業部に来て一年目と何も分からない状況で多くのことを学ぶことができました。そこから、ぐっとQBを活用しようという意識も高まりました。
また、いかに社内を巻き込んでいくのかが重要だと考えていますので、技術部門の方が興味がありそうなセミナーとかピッチイベントなどをどんどん教えて、「一緒に行きませんか。」と、まず来ていただくことを意識しています。現地に来れば、皆さん「素晴らしい場だね。」「何かやってみたい。」と言ってくれる人がポツポツ出てくる。そういう方たちと、ここで新しい挑戦しませんかと巻き込んで、形にしていくようにしています。
ここは、パッションさえあれば受け入れてくれますし、企画もともに考えていただいたり、挑戦しやすい場だと思います。新規事業担当者は、営業や設計など5〜6年やった上でくる方が多く、新規事業開発について分からないけど、新人扱いはされず結果を出さなければならないので、熱意さえあればサポートいただけるところは魅力的だと思います。
イベントなどの用事が特になくてもここへ来て、コミュニケーターの方とお話や相談することができるオープンさとフラットさも魅力ですね。今後も活用させていただきます!
いかがでしたか?
インタビュー当日も次のイベントの仕掛けについてコミュニケーターの下川と相談していた谷本さん。なんでもおもしろがることができる個性豊かなコミュニケーターがQBにはたくさんいます!
こんなことをしてみたい、アセットを活用したい!など、あなたの思いをぜひQBコミュニケーターに聞かせてください!
「QB館内ツアー」
QUINTBRIDGEの施設について興味がある。とりあえずQBに行ってみたい!方はこちら。1時間で施設の概要説明と館内ツアーを実施します。
週に1回ペースで開催しているので、予定はカレンダーでご確認ください。
「CoffeeMeetUp」
QUINTBRIDGE名物のON/OFFコーヒーを飲みながらカジュアルにつながる場です。参加無料、事前申し込み不要で、途中参加、途中抜けも自由の気軽にご参加いただけるミートアップです。他の会員さんと話してみませんか?きっと、新しい気づきや面白い繋がりが生まれます。
QB2階階段上がってすぐのところに相談窓口を開設しました!
「こういうアセット・課題を持っていて、、」や「こんなことできませんか?」などお気軽に話しかけてくださいね。
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