”セブンルール”にも出演したニューヨーク在住のインテリアデザイナー 吉田 恵美(さとみ)氏が語る「共創に必要なデザインの力」
  • イベントレポート

”セブンルール”にも出演したニューヨーク在住のインテリアデザイナー 吉田 恵美(さとみ)氏が語る「共創に必要なデザインの力」

公開日:
2023.7.24

2023年6月26日、QUINTBRIDGEで『セブンルール』(関西テレビ制作)にも出演されたニューヨーク在住のインテリアデザイナー 吉田 恵美(さとみ)氏をお招きして、「共創に必要なデザインの力」についてトークセッションを開催しました!

今回のイベントは「共創に必要なデザインの力」を学んでいただき、
より多くの事業共創を生み出すきっかけを創ることを目的に開催されました。

■GUEST SPEAKER

吉田 恵美 (よしだ さとみ)氏
YZDA(Yoshida + Zanon Design Atrium)代表

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1994 年米国アイオワ州立大学芸術学部インテリアデザイン科学士課程(首席卒)終了後、米国大手建築会社、 NBBJ Architects、GGLO Architecture + Design , IDI and Anshen + Allen に勤務。
2005年に、デザインスタジオ YZDA | Yoshida + Zanon Design Atrium(ワイ ゼット ディー エイ)を創業。

米国ニュージャージー州 & ニューヨーク州に拠点をおき活躍中。

2018年に東京新宿区サタライトオフィス創立。 YZDA のコンセプトは、クラシックモダン。また、シンプルながらも飽きの来ない、そして、それぞれの「ライフスタイル」に合わせて、 機能美と使い心地の良さを併せ持った実用的な空間デザインを目指す。

さらに、「和と洋の感性」を表現することにこだわりを持つ。

こうしたインテリア建築+デザイン以外に、スペースプランニング、 インテリア家具、照明、プロダクトデザインなどを幅広く手掛けるトータルデザイナーとしても知られる。 この他、スタイリングコーディネーターやアートコンサルタントとしても活躍中。

日本経済新聞『人間発見』掲載。新潮社から初の著書「ニューヨークのクライアントを魅了する『もう一度会いたい』と思わせる会話術」を出版。『デザイン』をcoreとした様々な視点から講演や執筆など、活動領域を広げている。 また、米国内を中心に著名人らを含める幅広い顧客を持つ。

yzda (公式HP)
https://yzdesignatrium.com/japanese/
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|イベント概要

吉田氏は、インテリア建築+デザイン、スペースプランニング、インテリア家具、照明、プロダクトデザインなど、 幅広く手がけるトータルデザイナーで、2014年から2023年まで10年連続でHOUZZ ベストオブデザイン賞を受賞しており、 2018年には、関西テレビ制作の『セブンルール』にも出演されています。

そんなYZDAとQUINTBRIDGEでコラボレーションし、 「共創に必要なデザインの力」として、今までのインテリアデザインを振り返り、 「なぜそのデザインにしたのか」などを追求し、これからの事業共創のデザイン力を高めるパネルディスカッションです。

|パネルディスカッション

メイン登壇者のYZDA代表 吉田 恵美氏、そしてモデレーターは、NTT西日本 イノベーション戦略室 オープンイノベーションプロデューサー 及部 一堯(およべ かずたか)が務めます。
空間デザインにおいても、デザイナーの思い、ものづくりの方の思い、そんな1つ1つのストーリーを繋げていくということが大切と語る吉田さん。

及部  :吉田さんが思うデザインとは?

吉田氏 :デザインとは「新しい力を生み出すもの」、付加価値ではなく「本質的な費用対価値」。品質や美しさの追求は大前提で、そこにどんな課題や意味があるのか、一人ひとりがどのようにインテリア空間や家具などを使っているか?その姿を大事にしています。

及部  :QUINTBRIDGEでは「共創」をテーマにしていますが簡単には生まれないとも痛感しています。共創を生むために意識していることはありますか?

吉田氏 :「とことん聞く」というコミュニケーションを重要視しています。依頼者の「思いや考え」を聞きたい。ただ、共創をするには、デザインに対する予算、時間、技術、人材などさまざまな課題があるので、そこをしっかりヒアリングすることを特に意識しています。

及部  :吉田さんがデザインに携わった東大阪の伝統工芸や日本のものづくり現場のインテリア建築デザインへの思いは?

吉田氏 :「ものづくり」をしている社員たち(人たち)が健康で生産性を持ち続けて育んでいけるインテリア空間を意識しました。元々は、窓がない環境で、窓があっても景色が無い空間でしたが、ウェルネスデザインをどう表現するかを考え、色(グリーン)で工夫したり、異素材を組み合わせたり、「橋を渡す」という意味で橋のような枠組みを作りました。「NYと東大阪をつなぐ」、「昔(歴史)と今の工場をつなぐ」という意味も込めています。

及部  :街などの大きな視野でのデザインにも取り組まれているとお聞きしましたが、いかがですか?

吉田氏 :秋田県などをはじめ、地域でシティプランニングやデザインに取り組んでみたいと考えています。街づくりや生きるための場所作りをする共創者を探していて、QUINTBRIDGEでもそういう出会いがあれば嬉しいです!

パネルディスカッションの後は会場とオンライン視聴者から多くの質問が寄せられました。
質問者の「吉田さんの考え方はどう作られたのですか?」という質問に対しては、

「1対1で顧客と向き合っているとそれぞれ考え方も、違います。その家族内でも一人ひとり違ったりします。私の仕事は家だったり空間デザインです。人生の分岐点で出会う人たちから日々学んでいます。
NYでの生活や仕事をする上で学んだ知見知識やたくさんの人から学んだことを日本でも広めたい。そして共創をすることで豊かな社会を気づきたいと考えるようになりました。」
と回答いただきました。

|吉田氏が考える「共創とデザイン」

パネルディスカッション後、改めて「なぜ共創にデザインが必要なのか」吉田さんにお伺いしました。

企業は、長期ビジョンで経営をして生きていかないといけない。その際にデザインの力が発揮されると考えています。例えば、デザインを活用して企業経営における本質的な価値を見つけ出すことができる。そして働く人のための空間作りも大切ですよね。
本日、QUINTBRIDGEでは、デザイン関係の方だけでなく、ご参加いただいています、IT関係者や福祉関係者の方々等、今までに共創したことない方との新しい分野や業種の方々との出会いや接点があればと期待しています。
例えば医療関係の空間、病院等の事例ですと、典型的なイメージは暗くて狭い空間であったり、入院中になぜ気持ちが少しでも明るくなれる癒しの空間がないのかという課題があります。
もちろん治療をするための病院環境ですので、インテリアデザインが何でもいいという訳ではないです。
空間デザインや建築をする上で、デザインする側も必要最低限の医療専門知識がデザインと並行してもちろん必要ですが、人として「生きている」という証と病と戦うというテンションを上げられるような明るくなる本質の空間を創る活動もしてみたいと考えています。
今まで以上に天井に工夫ができないか、壁は?床は?病棟ごとに必要不可欠な機能的なデザインや戦う家族のための空間がある必要とされますので、専門知識はもちろん必要ですが、デザインの力で生きることの意味を少しでも上げられる空間ができないか等、多くの分野の方々といろいろな課題を意識しながら、ぜひ取り組んでみたいと考えています。

共創は一瞬で始まり、安易な気持ちで終わらないものだと思いますので、QUINTBRIDGEで出会った方々と共創の機会があれば、ぜひ、同じ志を持ち、長期ビジョンで持続していける関係性を構築して、共にはぐくんでいきたいと思います。

|モデレーター及部の「共創を生む場所作りへの思い」

今回、モデレーターを務めたQUINTBRIDGEのコミュニケーターの及部にも話を聞きました。

共創を生み出すために大切なのは、色んな人やコトを繋ぐこと。
そのためにQUINTBRIDGEでは、多くの共創パートナー(事業共創をめざす方々)や連携パートナー(事業共創を支援いただく方々)に参画いただき、共創を生むための仕組み作りを行っています。

「繋がり」を生むための手段として、現在は主に3つのことに取り組んでいます。

1つ目は、イベントです。今日も1階のカフェ前で『コーヒーミートアップ』を開催していたり、今回の吉田さんとコラボさせていただいたようなセミナー形式のイベント、会員主催のワークショップ等があります。基本的には毎回ネットワーキングタイムを設け、繋がりが生まれやすいよう工夫しています。

2つ目は、コミュニケーターによるマッチングです。我々コミュニケーターがお話を聞きながら、「この人とこの人は合うのでは」とマッチングさせていただきます。

最後に3つ目は、スタッフが関与せず会員同士で、「この人面白いよ!」「そのテーマならこういう人がいるよ」と紹介し合う、ということです。
人を介してのマッチングでは、ご紹介する双方のビジョンや取り組みなどに共感し合えるかどうかをイメージすることを大切にしています。
現在は、コミュニケーターがいなくても自然と会員同士が繋がる環境を作りたいと考えており、そんな仕組み作りに日々取り組んでいます。

QUINTBRIDGEは現在2年目に入り、段々と繋がりが生まれるようになってきました。
2年目は繋がりの先の「共創の結果を生み出していく」ということにも力を入れていきたいです。
スタートアップ、大企業、地方自治体とタッグを組み、課題解決を進めるプロジェクトも実施しており、また大阪万博が2025年と近くなってきて、そこに向けたわくわくした未来社会を創るプロジェクトにも取り組んでいきたいと企画しています。

会員の皆様には、自分達のアセットや課題を持って、まずは現地で繋がりを持っていただき、共創に向けた一歩をぜひ踏み出していただきたいです!

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QUINTBRIDGEでは、ユーザーの皆様の「共創」のきっかけとなるようなイベントを多く開催しています。
現地ではもちろん、オンライン参加も可能なイベントもございますので下記イベントページをぜひご確認ください!
 
URL:https://www.quintbridge.jp

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