思いあふれる自治体と繋がる!ピッチ&交流会 第三弾(テーマギャザリングVol.9)イベントレポート
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思いあふれる自治体と繋がる!ピッチ&交流会 第三弾(テーマギャザリングVol.9)イベントレポート

公開日:
2024.2.3

2023年10月23日、自治体ピッチ&交流会を開催しました!
大好評の自治体とつながる本イベントも3回目。今回は、8つの自治体に登壇いただき、現地参加者は約100名以上!



各自治体の課題や思いを聞き、QUINTBRIDGE会員のそれぞれのアセットと思いを重ねて、地域と連携したビジネス共創のきっかけを作るイベントです。
毎回大いに盛り上がりを見せる本イベント、イベント模様をお届けします!

|自治体による地域課題・施策ピッチ


はじめに、NTT西日本 イノベーション戦略室 下川によるオープニングトークを行いました。
より深刻な社会課題は東京等の都心部以外の地方にある場合が多いにも関わらず、地域の起業家や事業者がビジネスの機会や市場を求めて地域から東京に出ていってしまうという課題に対して、「QUINTBRIDGE(NTT西日本)は、地域総力戦で社会課題に向き合いたい。本イベントが、地域の皆さんとQUINTBRIDGEの会員さんで新しいビジネスを共創するきっかけとなり、日本の地域を盛り上げ、日本全体を盛り上げていければと思います!」
と熱い思いでイベントをスタートしました!

続いて、各自治体の5分ピッチです。


◆鹿児島県
「鹿児島でのビジネスチャンスとIT系企業の進出の可能性について」
産業立地課 主査 宮下寛靖 氏

和牛、温泉(全国2位の源泉量)、焼酎、2つの世界自然遺産(屋久島、奄美大島・徳之島)を有する鹿児島県。現地参加者の8割が「鹿児島に行ったことがある」と手を挙げる人気の旅先でもあります。

そんな鹿児島県は、IT系企業の誘致を積極的に、そしてユニークなPR方法で取り組んでいます!


「こちらのステーキの写真は、何のパンフレットでしょうか?」
「名産の和牛の宣伝?」と参加者は予想しますが、正解は企業誘致制度に関するポスター!

名産の注目度を活用し、IT系企業誘致を宣伝するユニークな方法に会場からは拍手と笑顔がこぼれます。近年、県内でも特に鹿児島市にIT系企業が増えています。

鹿児島出身、自然や好き、人件費が安いなど進出理由は様々ありますが、IT系企業にもっと鹿児島の地場産業とビジネスとして関わりを持っていただきたい課題があるという宮下さん。

今回のピッチ&交流会では、鹿児島県の地場産業を活用したビジネス共創をする仲間を募集。個人または企業の経験やノウハウを鹿児島のために力を貸してほしいとピッチをいただきました。

また、「焼酎」のビジネスチャンスの例も紹介いただきました。
本格焼酎の蔵元が110社以上あり、蔵元の数は全国一位を誇っています。
しかし、蔵元では温度を目視確認、手作業も多く顧客データ管理や機械化ができていない、さらにはECサイトも普及していないという現状があります。DX化などビジネスのチャンスが眠っている焼酎業界。
世代交代で40歳前後と若い社長が多く、蔵元が全国1位のため、ひとつ事例ができるとそこから100社に広がる可能性も!

交流会で、地場産業×IT企業のビジネス共創につなげる仕組みや、テーマ設定・鹿児島進出の課題、プロジェクト期間などのどのようなところに課題があるのかについて話したいと伝えていただきました!

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◆新温泉町(兵庫県)
「過疎の温泉地活性化に向けた取り組み」
新温泉町ワーケーション推進協議会 沼田宏一 氏
新温泉町商工観光課 商工振興係長 縄手美幸 氏

兵庫県北部に位置する新温泉町は、海の幸、山の幸、そして町名の由来にもなっている3ヶ所の温泉等さまざまな資源にめぐまれています。

本ピッチでは、「七釜温泉」の課題を共有。日帰り温泉施設「ゆ〜らく館」と11件の旅館・民宿が「源泉掛け流し」で提供しており、さらに町内に3つの日本遺産があるにも関わらず活かしきれていない現状に、なんとか地域を盛り上げられないかとピッチ参加への思いを語ります。


最近では、七釜温泉を活用し「白さぎの湯」として足湯を作りました。
しかし、温泉水がそのまま川に流れ出ており、これを利活用できないかと沼田さん。
例えば、温泉水を農業などに活用できないか、他にも七釜区が所有権を持っている杉林を温泉活用と絡めて活用できないか、ビジネス共創アイデアを募集します!

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◆洲本市
「淡路島・洲本市の魅力や資源を活かすビジネス、一緒にやりましょう!」
企画情報部企画課 新エネ・域学連携担当係長 高橋壱氏


兵庫県 淡路島の中央に位置する洲本市は、”御食国(みけつくに)”と呼ばれる山海の幸の宝庫であり、農漁業では、淡路たまねぎ・サワラ等の新鮮な魚介類、さらに淡路ビーフなど食に恵まれる自然豊かな地域。

神戸までアクセスも良く、暮らしやすさと働きやすさを両立している「ちょうど良い田舎」だと高橋さん。コワーキングスペースは6ヶ所、さらに三ノ宮直結の洲本バスセンターから徒歩圏内の施設等も豊富という環境を活かし、ワーケーション誘致を推進しています。

外部人材とも積極的にまちづくりに挑戦しており、2013年からの10年間で、33校から約860名の大学生が洲本市を訪れ、近畿大学等とロングトレイルコースの整備や、龍谷大学と地域貢献型ため池メガソーラー発電事業に取り組む等、地域住民らとともにまちづくりに挑戦しています。

事業者向けにも、テレワークやワーケーション等で訪れる企業とともに、洲本市との事業創出をめざすプラットフォーム「淡路島ゼロイチコンソーシアム」を設立。株式会社シマトワークス、淡路信用金庫、洲本市の三者で事業者の地域サポートや事業拡大支援をしています。

洲本市の魅力や資源を活かし、担い手不足や活力低下など様々な課題の解決につながるプロジェクトやビジネスの創出に取り組む事業者と一緒に仕事がしたい!そんな熱いピッチを行っていただきました。


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◆三宅町(奈良県)
Mラボ(仮)~奈良県三宅町ではじめる《小ささの研究所》~
- プロジェクトマネージャー 田中友悟氏

三宅町は人口6548人の「日本で2番目に小さいまち」。”小さい”を強みに昇華し町長自らさまざまなイベントに出向くフットワークの軽さや導入のスピード、そして役場と住民の距離が近く、田舎だけどチャレンジングな人が集まっている。そこが魅力だと語る田中さん。

まちのビジョンは「自分らしくハッピーにスモール(住もうる※)タウン」
そして「その町の伴奏者になる」をミッションに掲げ、自分サイズのチャレンジを応援しています。
※「住もうる」とは、住むことができる・住み続けることができるという造語

 三宅を舞台に夢への挑戦を増やして行くため、対話、失敗、挑戦を三宅町だけではなく地域の人達へも促していく。これまで、副業人材の登用やローカルスタートアップを育む施策を実施。人口減少・少子高齢化等の課題を抱えるなか、どんな人でも「小さく」チャレンジできる町として、三宅町らしい自治を探求する、「Mラボ-小ささの研究所-(仮)」という事業を計画している最中です。
ぜひ、三宅町とともに「町の夢の伴奏者」となる事業者・パートナーを募集しています!


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◆富山市
トヤマでオープンイノベーションはじめます。
富山市企画管理部スマートシティ推進課 課長代理 中村圭勇氏

富山市は、人口減少社会における持続可能な都市モデルとして「公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくり」に先駆的に取り組み、世界的に評価されています。約20年間、都市課題に取り組んできた富山市ですが、コンパクトシティだけでは複雑化する現代の社会課題の解決は難しいという壁に直面。

そこで新たな挑戦として、デジタル技術やデータの利活用によりコンパクトシティ政策を”深化”させる「スマートシティ政策」に取り組んでいます。政策を加速させるため設立したのが「富山市スマートシティ推進プラットフォーム」。マッチングのための定期交流会の開催、市が伴走支援しながら市民や行政のニーズをダイレクトに把握できるリビングラボの機能等を提供します。


「本日は企業誘致を募集しにきました!多くのプレイヤーが共創し、イノベーションを生み出すため、行政でもスピード感を持ち取り組んでいきます。」と中村さん。

世界が注目する富山のコンパクトシティ・富山が取り組むスマートシティに興味があるかたはぜひプラットフォームにご登録ください!


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◆長門市(山口県)
可能性をビジネスチャンスにする「未来のベンチャーシティ」へ
企業誘致・まちづくり推進課 課長補佐 村中康之氏

山口県の北西部に位置する長門市は、人口3万人余りの小さな地方都市。山も海もあり、農業、林業、漁業から、製造、サービス業までさまざまな分野が盛んですが、ITとDXの力で「日本で最先端のまち」にすることをめざしています。


豊かな自然、食、温泉を最大限に活用し、都心では提供できない、魅力あふれる働き方を実現させるワークプレイスを創り、複数拠点の企業誘致をめざす「ベンチャービレッジ構想」を掲げ、ひと・モノ・ことをつなぐIT関連企業等集積拠点施設の設立を、令和7年11月オープン予定で計画しています。事業費は約8億円。本気で「日本で最先端のまち」にむけ推進中。

事業アイデアとしては、75%が森林のため林業の先進地をめざすスマート林業、盛んな農業・漁業のスマート化、観光DXに取り組みたいと村中さん。
「トライアル補助金など支援環境も揃っています!自然や食の魅力が揃っている長門市と共創したい事業者はぜひお話しましょう。」とお話いただきました。

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◆香川県
情報通信関連産業の 育成・誘致事業「人が集い、学び、交わり、共創する、オープンイノベーション拠点Setouchi-i- Base」
- 香川県大阪事務所 副所長 大山佳伸氏/香川県大阪事務所 主任 畠和秀氏

香川県では、県外への人口流出を抑えるため、若者が魅力を感じる働く場を創出し、地域経済の活性化を図るための取り組みを行っています。その一環として、新たに「Setouchi-i-Base」というオープンイノベーション拠点を整備。情報通信関連分野の人材を育成する講座、コワーキングスペースや創作工房、5G通信環境等を提供しています。


施設利用者の活動と交流を支援し、若者が魅力を感じる働く場の創出を目的に、人材育成、活動と交流の場の提供、ビジネスマッチング支援の3つの事業を主に展開。さらに会員であれば、3Dプリンターやレーザーカッターを無料で使用できる環境も整えています。また、コーディネーターによる各種相談対応や伴走支援も実施。学生向けの起業体験イベントや事業成長支援プログラム等が開催されています。

これらの施策を通じて、若者に魅力的な働く場を創出し、地域社会全体の発展に向けて取り組む香川県。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお声かけください!


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◆神戸市(兵庫県)
大学発アーバンイノベーション神戸 ~大学の若手研究者への支援~
神戸市 企画調整局 産学連携推進担当部長 藤岡健氏

市内に20校以上の大学・短期大学・高専があり、約7万人の学生が通う大学都市である神戸。国外の姉妹都市、親善協力都市も豊富にあり、利便性の高い都市機能と豊かな自然を兼ね備えたコンパクトで多様性のあるまちです。

そんな神戸市は、地域課題解決に向けた若手研究者への研究活動支援について紹介。「大学発アーバンイノベーション神戸」は、特色ある大学等が多く立地する神戸の強みを生かし、地域課題や社会課題の解決に向けた大学等の研究活動が生み出す価値創出と、産官学共創による若手研究者への支援が、相互に増幅し合う好循環を作り出していくことをめざしています。
企業から、ふるさと納税の寄附と併せて研究テーマを提案いただくことで、自社課題の解決に大学研究を活用することもできます。

神戸大学、神戸学院大学、甲南大学、関西国際大学流通科学大学とは、包括連携協定を締結。「自治体のしくみと仕事」(甲南大学法学部)等、職員による大学での講義をし、学生と市政との共創のきっかけを提供しています。


また、チャレンジし続けるグローカル人材の育成、定着を通じて大学と地域がとも進化していく神戸をめざし、産官学プラットフォームの拠点を都心・三宮(センタープラザ9階)に開設しています。未来の神戸づくりに向けた大学等応援助成(ふるさと納税制度を活用した大学支援)も実施しています。産官学共創、大学の知、イノベーション、地方創生、社会課題の解決などに興味のある企業の皆様の参画をお待ちしております!




|登壇した自治体職員の声


◆新温泉町(兵庫県)
新温泉町商工観光課 商工振興係長 縄手美幸 氏


- 参加のきっかけは?

約3年前から「課題解決型ワーケーション」という行政と地域と外部の方とのつながりを作り、課題解決をめざそうというプロジェクトに取り組んできました。今回は行政だけではなく、ワーケーションに取り組んでいる商工会、観光協会等のメンバーと一緒に参加させていただきました。
きっかけとしては、さまざまな地域課題がある中で、NTT西日本様に本イベントを紹介いただき参加を決めました。

- どんな共創・領域のパートナーを求めていますか?

新温泉町は小さな町で、課題が山積みです。人口減少、産品を作る方が少なくなっているという課題、七釜温泉の温泉街の活性化等、さまざまな取り組みが地域住民、行政とできる町です。実証実験のフィールドも豊富にありますので、ぜひ一度新温泉町にお越しいただければ幸いです!

◆鹿児島県
産業立地課 主査 宮下寛靖氏


- 参加のきっかけは?


今回NTT西日本の下川さんにテーマを相談したのは、自治体として事業を作っていく中で、QUINTBRIDGEのような多様な事業者が集まる場で、多くの方に話を聞き、企画をブラッシュアップをしていきたいという目的がありました。また鹿児島県の狙いとしては、地方自治体は新しいビジネス創出し続けなければ、人口減少や産業の衰退に繋がりますので、そこをご理解いただき、自分達がどのような産業を持っているのかを知っていただきたいという思いがありました。



- どんな共創・領域のパートナーを求めていますか?

鹿児島県は、畜産・焼酎・農業に特に力を入れていきたいと考えていますので、そういった領域の強み・アセット・事業アイデアをお持ちの個人や企業の方とつながりを持ち、共創していきたいと思っています!


QUINTBRIDGEの大好評企画、テーマギャザリング「自治体ピッチ」。

自治体の方から、現場の課題を熱い思いで語って頂きました。
普段、なかなか触れ合う機会も少ないため、毎回参加者も多く会場が熱気に包まれています。

また、登壇いただいた自治体さまも横のつながりができる機会でもあり、
大変好評いただいております。
繋がりたい自治体があった場合は、QUINTBRIDGEコミュニケーターまでお声がけください!

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