
- インタビュー
QUINTBRIDGE「思いを1億円の事業に!ゼミ」第7期 FINAL PITCH ポテンシャル賞・オーディエンス賞をW受賞!ウガンダのお母さんの自立を支える「カンパラ焼き」の挑戦
- 公開日:
- 2026.6.3
2026年3月25日、QUINTBRIDGEにて開催された「思いを1億円の事業に!ゼミ」第7期 FINAL PITCH。
このゼミは、社会課題に向き合う起業家が、自身の事業を「サステナブルに回る1億円規模」へと成長させるための超実践型プログラムです。
今回、今後の成長可能性を評価する「ポテンシャル賞」と、会場の共感を集めた「オーディエンス賞」をダブル受賞したのが、谷川うりさん。ウガンダのシングルマザーの経済的自立を支援する飲食ビジネス「カンパラ焼き」について、事業の原点からゼミでの変化、そして未来の展望を伺いました。
1. 出会いと気づき:「おいおい、どういうこと?」から始まった挑戦
普段は大阪の富田林でNPO法人の代表として、子ども食堂や困窮者支援を行っている谷川さん。そんな彼女がウガンダと出会ったきっかけは、支援現場での「言葉の壁」でした。
「外国籍の方がたくさん来るようになって、Google翻訳を使ってもお互い会話が全くできない。それでオンライン英会話を始めたんですが、そこで出会った先生がウガンダ人だったんです」
会話の中で見えてきたのは、ウガンダの食料事情でした。貧困層が多く、食べるものがなくて飢えに苦しむ人がいる一方で、「野菜はたくさん採れる」という事実。
『野菜は食べないの?』って聞いたら、キャベツとかはずっと採れる気候やけど『生でしか食べないから捨ててる』って。おいおい、どういうこと?と。 粉はあるか、粉はあるか、粉はあるかと。私自身が子ども食堂で地域の捨てられる野菜を使ってお好み焼きを作るのを何年もずっとやってきてたから、どんな野菜が来てもお好み焼きを作れる自信はあったんですよ」
戦後、日本の戦争未亡人たちがわずかな小麦粉でお好み焼き屋をやり、子どもを育てて自立していった歴史。その姿がウガンダのお母さんたちと重なり、「カンパラ焼き」のアイデアが生まれました。

2. 転機:英語の勉強で出たピッチが、アフリカの熱狂を生む
カンパラ焼きのアイデアを思いついたものの、最初から本気で事業化を狙っていたわけではありませんでした。事態が急展開したのは、谷川さんが「英語のモチベーションを上げるため」に出場したオンラインのプレゼンイベントでした。
「あまりにも英語ができへんので、自分を追い込むためにプレゼンイベントに出るって宣言して。自分の英語のモチベーションを上げるためだけに、カンパラ焼きのアイデアを英語で軽くビジネスピッチしたんです。
そしたら現地の人たちが『これはウガンダの歴史変えるぞ!』って大絶賛してくれて。『マジか、いつか行くわ』みたいな感じになりました(笑)」
このピッチを聞いていた谷川さんの友人たちもすっかり熱を帯び、「ならウガンダに旅行行くから、先生のとこでお好み焼き作ってくるわ」と、なんと交代で現地へ渡って試作を開始。
それを食べたウガンダの先生から「私たちが作るより、谷川が作った方が絶対うまいからもう絶対来てほしい!」と熱烈なオファーが届きます。
『「とりあえず100万円集まったら行きます。もし集まれへんかったら私はまだ海外行かない、ってクラファンで宣言したら、結構軽く100万超えちゃって『やった!』と。で、そこからパスポート取りました(笑)」
長年NPOの活動を見守ってくれていたコミュニティのファンたちが一気に動き、彼女をウガンダへと押し出したのです。

3. 現在地:「早い、安い、うまい」でローカルフードをひっくり返す
そうして本格始動した「カンパラ焼き」ですが、現地にはすでに「ロレックス」という、クレープ生地で野菜を巻くローカルフードが根付いています。しかし、そこには原価率が高く利益が出にくいというビジネス上の課題がありました。
「じゃあそれより『早い・安い・うまい』を実現させば、軽くひっくり返せるんちゃうかという仮説があったんです」
現地の白トウモロコシ粉と廃棄野菜を活用するカンパラ焼きは、現地のお母さんたちが利益を出せる仕組みをつくります。さらに、その展開力はすでに他の国にも波及しています。
サモア版も始動: すでにサモアではココナッツと卵を使ったバージョンが進行中。「粉があるところに谷川がいる。ほんまに世界3大の小麦粉、米、トウモロコシ、どれでもいける感じです」

4. ゼミでの変化:「左脳を出していいんだ」と気づいた場所
資金繰りに悩んでいた時に紹介され、飛び込んだQUINTBRIDGEのゼミ。そこで得た最大の収穫は、思考の制限が外れたことでした。
「NPOを10年近くやってると、ビジネス的なことしたら『金儲けでやってる』みたいに思われがちで。でも、ゼミに入って『左脳を出していいんだ』と。
脳内がもうビジネス脳になったし、社会貢献というNPOでの経験もありつつ、さらにビジネスで奥へ行くぞっていう、バージョンアップした感じです」
そして、何よりも谷川さんを鍛え上げたのが、7分に思いや事業内容を凝縮するピッチでした。
「ドラゴンボールで例えると、なんかあの『精神と時の部屋』。全然伝わらなくてしんどいこともあるんです。でも、ここから出たら『界王拳』が打てる。シンプルイズベストで、シンプルな言葉でガツンとどう伝えるか。ビジネスで大事な『引き算』がすごい勉強になりました」

5. 今後の展望:日本の「あらゆる良いモノ」でアフリカを幸せに
今年はウガンダに店舗を作り、あと3年ほどは店舗で何が売れるか「実験(トライアンドエラー)」を繰り返す計画です。ただ、直面している大きな壁が「資金と送金(ウガンダから日本への送金ができない)」の問題。
だからこそ谷川さんは、日本の企業や製品と一緒に「みんなでアフリカを攻めよう」と呼びかけています。
「アフリカの市場ってすごいんですよ。最後のフロンティアと言われてるぐらいこれからどんどん人口が伸びてくる。そこにみんなで攻めるのもいいぜって。
現地の人たちがオタフクソースを持っていくんですけど、あのパチンって閉まるキャップがすごいって言ってて。ウガンダの調味料はみな液漏れするから。あと、ウガンダのサランラップ切れへんけど、あのスパって切れる日本のラップすげえ。ピザの蓋がカチって閉まる。そういう日本のあらゆる便利グッズって、ウガンダの人たちもきっと幸せにするやろなと思ってて。日本の良いモノが広がっていくとアフリカ人の人たちは幸せになれると思う」

6. 共創パートナー募集:一緒にアフリカを開拓しませんか?
谷川さんは現在、この事業を通じて以下のような方々と繋がりたいと語っています。
(現地の飲食ビジネスに知見がある、一緒に取り組める方)
(液漏れしないキャップ、スパッと切れるラップ、カチッと閉まる容器などをお持ちの方)
「日本すごい。製品もすごいし、支援するための制度も、日本は失敗してきて色々修正加えて作られてる。そういう日本のいいところをアフリカに応用できそうなことしていったら、日本ももっと景気が良くなると思う」
「いつか行くわ」から始まった挑戦は、周りの応援を巻き込みながら、いよいよ現地での第1号店オープンに向けて本格始動します。彼女がウガンダで焼くのは、ただのお好み焼きではありません。お母さんたちの自立と、日本とアフリカが共に元気になれる未来です。
そして今、ウガンダのお母さんたちが自立できる「カンパラ焼き」の第1号店を本当に形にするため、谷川さんは新たなクラウドファンディングに挑戦中です!
★クラファンのページはこちらをチェック!
「思いを1億円の事業にゼミ」FINALPITCHのレポートはこちら!
https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202605281547.html
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