【冬休みXR展示企画】地域の心豊かな暮らしを実現するVR/XR等技術展示&ピッチを開催しました!
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【冬休みXR展示企画】地域の心豊かな暮らしを実現するVR/XR等技術展示&ピッチを開催しました!

公開日:
2026.3.30

2025年12月23日(火)、地域の心豊かな暮らしをテーマに、VR/XR等の技術展示や想いあふれる共創ピッチを開催しました!

少子・高齢化や首都圏への一極集中により、多くの地域で人口や産業、文化の衰退が課題になっています。そうした問題に向き合いながら、地域に根ざし、まちの未来をつくろうと挑戦を続ける事業者がいます。

本イベントでは、「地域の心豊かな暮らし」をテーマに、イノベーターたちが集結。今回はVR/XRなどの先端技術を活用したユニークな取り組みに注目し、展示やプレゼンテーションを通じて、新たな出会いや共創のきっかけを生み出します。

|基調講演『ゲーム×プロジェクションマッピング』地域創生の新たな可能性

オルコエトー氏  AR/プロジェクションマッピング アーティスト

2010年から映像制作に本格参入。マペットアニメ、企業PV、MVなどを手がける。2014年よりプロジェクションマッピング開始。2015年「岡崎ときあかりアワード」で最優秀賞&ロームシアター京都賞を受賞。京都国際漫画ミュージアムで招待作家として作品を発表。2022年、ダイキン中東アフリカの3DCGによるコンセプトムービーや各支社向け映像をプロデュース。2025年4月に名古屋鉄道のARスタンプラリーを企画・制作。9月、奈良ホテルリニューアル工事カウントダウン記念AR制作。11月、熊本県山鹿市役所主催で小学生がNintendo Switch™で制作し動かす、世界初のプロジェクションマッピングを実施。 http://olco.official.jp/

QUINTBRIDGE ゼミプログラムで『エンタメ×地域創生』をテーマにした中島ゼミ(ガチ事業開発ゼミ)の2期生のオルコエトーさんからは、ゼミで取り組みがスタートした熊本県山鹿市で行われているNintendo Switch™を活用したプログラミング学習「山鹿モデル」の認知向上の活動事例を紹介いただきました。

2023年8月にスタートした中島ゼミから始まった本活動は、現在は『QUINTBRIDGE認定コミュニティ』として活動を続けています。

中島ゼミ・山鹿モデルについて:https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202402032216.html

コミュニティでは、小学生によるプログラミング学習を通じた地域創生『山鹿モデル』の認知度を高め、全国展開をめざしています。そんな思いの第一歩として、昨年11月に山鹿市で、小学生が企画・作成したゲームを建物に映すプロジェクションマッピングを実施しました!

校舎に映像を投影し、Nintendo Switch™で操作をしてゲームを大迫力で楽しむ機会を実現。ゲームのコントローラーでプロジェクションマッピングを動かすこと自体が世界初だとオルコエトーさん。

このプロジェクトのために、2025年にサマースクールを山鹿市の「YAMAGA BASE」開講。記念すべき初回のサマースクールは21名が参加しました。短い募集期間でこれだけ多くの参加者が集まったのは珍しいと、山鹿市の皆さんからも驚きの声があがりました。

「ゲームの音楽をAIで作る授業など少しハードルの高い内容も行いましたが、子どもたちが優秀で、想定より早く完成したんです!一方で、大人は操作をマスターできなかったり(笑)。子供たちの可能性を感じました。」

とオルコエトーさんは話します。

保護者の方からは、「子供がすごく楽しんでいた。二日目以降も早く行きたいと話していました。」というお声や、参加した児童からは「将来ゲームを作りたいという夢ができた。」と嬉しいお話も!

「本番当日は、公共交通機関では行くことができない山中の施設でありながら、のべ200名が来場。ゲームを作成した児童が実際に操作をして楽しんでくれていました。また、その様子をテレビ熊本や、新聞社などが取材に来るなど盛り上がりを見せ、ニュースサイトに掲載されるなど大きな反響があり嬉しかったです。

eスポーツ×プロジェクションマッピングには、育成や地域創生に貢献していける可能性、そして地元にプライドを持つきっかけになったり、都市へのアピールにもなると考えています。」

と心動かされる体験をシェアしていただきました。

地方でマッピングイベントをするメリットは多く、

1.周囲が暗いのでプロジェクターのレンタル代金が節約できる

2.近隣が離れているため、音のトラブルも起こりにくい

3.混まない

など開催しやすい環境が地方にはあります。

「興味のある地域の方や、企業の皆さんは、ぜひお話しましょう!」

と会場に呼びかけました。

|共創ピッチ

文化の架け橋が紡ぐ、地域と世界の心豊かな暮らし

市川哲郎さん
8PEACE COO/伝統工芸ディレクター

日本の工芸と海外文化が交差することで、地域に新たな物語を生み出す──そんな試みとして「文化の架け橋プロジェクト」に取り組んでいます。

職人の技術や想いに光を当てながら、伝統工芸を国境を越えて届けている市川さん。京友禅に用いられる麻の葉や雪輪、金彩といった文様が持つ意味、そんな布一枚に込められた美しさや精神が、人の心に寄り添う存在となります。

また、日本で最初にコーヒー文化が伝わった長崎と、コーヒーを愛するルクセンブルクを結ぶ物語から生まれた三川内焼のマグカップを紹介。文化交流の象徴として共感を集めました。

今後は、京友禅を用いた新たな商品開発にも挑戦。文化が人から人へと受け継がれ、つくる人と使う人の双方に豊かさをもたらす。その循環が地域の誇りと活力につながっていく可能性を感じさせるピッチとなりました。

メタバース校舎を活用した不登校支援

宮嵜浩さん
NIJINアカデミー リアル校自治体企業連携「近畿」チーム

近年、不登校児童生徒の数は全国的に増加傾向にあり、府内の小学校では、令和1年から4年の間にその数は2倍に。多くの自治体が登校支援センターの設置などを進めていますが、家から出ること自体が難しい子どもも多く、対面型だけでは十分に支援が届かない現状があります。

そこでNIJINアカデミーは、新しい教育モデルを確立。

メタバース校舎と、全国30か所のリアル教室、53の企業・自治体・機関との連携で、不登校の児童や学生の学習や、生活の支援を行っています。

全国40都道府県から、600名以上が入学。多様性と主体性、そして子どもの選択を重視した独自の教育モデルで、子どもたちが「なりたい自分」「ありたい自分」を目指し、社会と再びつながる機会を創出できる環境を提供しています。

当日は在校生 F91さんも登壇し、不登校になった背景や、そこから本校で自分らしい選択ができた経験を共有してくれました。

自宅からメタバース校舎に通う。心理的安全性を感じる「おうち」から、豊かな教育体験や友達との出会いを提供していく同社のピッチに、会場からは暖かい拍手が送られました。

AIグラスで人間拡張体験

福田登仁さん
株式会社メタリティ 代表取締役CEO

AIグラスによる「人間拡張(Human Augmentation)」で、日常のコミュニケーションや行動の支援に取り組む同社。

視覚・聴覚・身体機能といった人の能力を拡張する技術として、AR/VR、ハプティクス(遠隔地の環境などを触って確認できる)、重いものが持てるようにするパワードスーツなど人間拡張により、できることが広がる未来像を紹介。

その中でも、AIアシスタントやAI翻訳機能を備えたAIグラスを通じて、人の能力を自然に補完・拡張する可能性を示しました。

近年、街中で外国人観光客が増える一方、店舗側では言語の壁に悩む場面も少なくありません。そうした課題に対し、AIグラスがリアルタイム翻訳や情報支援を行うことで、接客やコミュニケーションを円滑にします。

テクノロジーは人に代わるものではなく、人を支え、能力を引き出す存在である――。そんなメッセージが、身近な活用シーンとともに伝わるピッチとなりました。

大阪府東部の人口減少と地域発展


瀬古英司さん
Happy Materials ゲームデザイナー

ゲームデザイナーでもある瀬古さんは、東大阪市を中心とした大阪府東部の人口動態に着目し、地域産業を活かして、どう人口増加につなげていくかについて話しました。

データ解析からは、高校や大学の進学を背景に18〜25歳の流入は多い一方、卒業後の25〜29歳で大きな転出が起きており、その背景には 若者が魅力を感じる就職先不足 が原因にあります。

そこで提案するのが、東大阪市に集積する高度なものづくり企業の技術を活かした新たなジョイントベンチャーの構想です。医療機器や宇宙開発分野に強みを持つ企業群に加え、学研都市や研究機関と連携することで、企画・開発・製造までを一体で担う体制を目指します。

さらに、宇宙開発をテーマにしたシミュレーションゲームを通じて製品アイデアを生み出し、若い世代の関心を引きつける仕掛けも紹介されました。このゲームでは、VRで実際に部品を製造できる工程も体験できます。

技術、研究、人材はすでに揃っており、足りないのはそれらを結びつける資本だけです。東大阪市にはすでに、宇宙開発協同組合 SOHLA があり、2009年には人工衛星の打ち上げにも成功しています。ものづくりの街、大阪東部で、ロケットの会社を建てませんか。

地域の未来を切り拓く鍵となる提案で、ピッチを締めくくりました。

「カンテレXR」事業の観光XR体験プロデュース

山本道雄さん
関西テレビ放送 プロジェクトリーダー、プロデューサー

関西テレビ放送が展開する新規事業「カンテレXR」では、イベントや観光の目玉となるXRコンテンツを企画・制作し、来場者が一体となって楽しめる体験をプロデュースしています。ピッチでは、テレビ局ならではの映像制作力とXR技術を掛け合わせ、地域に新しい価値を生み出す取り組みが紹介されました。

取り組みの軸となるのは、観光前の期待感を高める「旅まえ」と、現地での体験価値を向上させる「旅なか」のXR施策です。道頓堀では、外国人観光客向けにXRを用いた観光案内を実施し、特定エリアへの集中を和らげる工夫を行ってきました。また、AR謎解きを活用した回遊型コンテンツでは、観光客の分散を促しながら、街全体を楽しんでもらう仕組みなども実現しています。

地域に根ざした放送局だからこそできる視点と実績をもとに、XR技術とプロデュース力を融合させ、まだ見ぬ圧倒的体験・感動を提供する同社。観光とテクノロジーの新しい可能性を示すピッチとなりました。

AR謎解きサバイバルゲーム研修「赤サバVer.2」

西野英男
合同会社キャリアボンド 代表社員

『2025 QUINTBRIDGEのWeAward』を受賞し、積極的に共創活動を行っている西野さんが紹介するのは、ARを取り入れた体験型研修「AR謎解きサバイバルゲーム研修〈赤サバVer.2〉」です。

従来の赤外線サバイバルゲームを活用した研修では、活発なコミュニケーションが生まれ、チームビルディングや、親子のコミュニケーションの促進、地域フィードの活用などさまざまなシーンで有用性を証明してきました。

そんな「赤サバ研修」の第二弾は、ARの謎解き要素を組み合わせることで、没入感と戦略性を高めたエンタメ研修へと進化。謎を解いて敵を倒すのか、敵を倒して謎に挑むのか―― 。限られた時間の中で判断と連携が求められます。お城や自然運動公園といった広いフィールドを舞台に、チームで動く重要性を体感できる設計が特徴です。

地域を変えていくには、最初に個人の価値観を変え、環境や組織を変えていくことが大切だと西野さんは話します。「冷静に、熱くなれ!」を掲げ、面白い体験を起爆剤にし、エンタメ×地域創生のムーブメントを生み出す研修として提案されました。

XRで変革する教育・生産性・地方課題

小笠原海人さん
株式会社ビーライズ 大阪営業所 事業責任者

ビーライズは、XRとAIを活用し、人・社会・産業に新しい体験と仕組みを届けることをミッションに掲げています。ピッチでは、日本で加速する人口減少や人材不足、生産性の低下といった課題に対し、XRが果たす役割について語られました。

現場ではDXの必要性が叫ばれる一方で、真の変革にはまだ至っていない現状があります。そこでビーライズは、教育や業務の現場にXRを取り入れ、知識や技能を「体験」として共有することで、人の能力を引き出す仕組みづくりに取り組んできました。遠隔地でも現場を共有できる高精細3Dスキャンや、ARによる作業支援、デジタルツインを活用した業務改善など、さまざまなソリューションを提供します。


人口減少という避けられない課題に対し、テクノロジーで人を代替するのではなく、人を高度化する。その考えのもと、人材教育・業務効率・集客など、納品して終わりではなく、現場課題に寄り添うパートナーとして、地域課題にも貢献したいと思いを語りました。

取り残された一等地長屋街、再生へのプロセス

山田有生さん
NPO法人山王エックス 理事長

同社は、西成区山王に残る長屋街の再生に向けた取り組みについて語りました。天王寺から徒歩圏という一等地にありながら、戦火や再開発の流れから外れ、複雑な歴史とともに古い芸人長屋の街並みが残されてきた山王。かつては「てんのじ村」と呼ばれ、地域に根ざした暮らしと文化が息づいていました。

近年は外国資本の流入が進み、街の風景や価値が急速に変わりつつあります。そうした中で、ただ新しく塗り替えるのではなく、この町ならではの良さや強みを活かした再生の姿を描けないかと、調査やマップ作製などに取り組み、試行錯誤を重ねてきました。


地域再生のためのキーファクターは、地域資源を見える化し、山王を内外の方にも広く好きになってもらうこと。長屋や路地、そこに刻まれた記憶を大切にしながら、新しい視点や技術を取り入れていく。その挑戦のプロセスが共有され、山王の未来に向けた意志が伝わるピッチとなりました。

「広く大切にしてもらおう!」次世代の映像で山王町の再生をより豊かに

ブラウン・ダニエルジョンさん
明段舎株式会社 代表取締役

「NPO法人山王エックスが「残された一等地長屋町の再生」をXRとWEB3の技術で支えます!」

そう話すブラウン・ダニエルジョンさん。

ピッチでは、地域の空間や活動をデジタル技術で可視化し、より多くの人に知ってもらい、大切にしてもらうことの重要性が語られました。

具体的には、町や施設を3Dデータとして記録・共有する「山王3Dマップ」や、建物の様子を残すデジタルツインの活用を提案。さらに、LiDARを活用したARイベントの展開にも触れ、実空間の情報をもとにした臨場感ある体験づくりの可能性が示されました。

最後に「お願い」として、街のストーリーを描き、その魅力を伝えるためにはコンテンツ制作の力が不可欠であると強調。地域内外の多様な担い手と連携し、地域創生を進めていきたい思いを共有しました。

「anywhere café」で地域の人の暮らしを豊かに ~飲食×VR×メタバース~

小柴恵一さん
株式会社 G1 company 代表取締役 CEO

G1 company は、VRやメタバースを活用した地域体験の可能性についてピッチを行いました。

 

これまでオリンピックや万博などの大型イベントでVR体験を提供してきた小柴さん。スポーツクライミングをはじめとする臨場感ある映像表現が、人の感情や記憶に強く残る体験を生み出してきました。

現在は、旅気分を味わえる「anywhere café」をリアルな古民家空間とメタバース上で展開し、場所に縛られない新しい体験を実践しています。

さらに、デジタル観光共創ネットワーク「DTCN(仮称)」の構想にも言及。自治体や観光関連企業、大学、コンテンツクリエイター、プラットフォーマーが連携し、2026年の立ち上げを目指す取り組みとして、地域の暮らしを豊かにする新たな観光と交流の形を示しました。

「XR」を活用した新しいコミュニケーション様式が解消する制約と地方創生の可能性~MARINNEを活用した事例~

鈴木大輝さん
X-HOOD株式会社 代表取締役CEO

X-HOODは、XRを活用した新しいコミュニケーション様式について提案しました。

冒頭では、従来のコミュニケーションが抱える「身体的」「距離的」「時間的」な制約を提示し、XRテクノロジーによってそれらをどのように解消できるかを整理。アバター化やリモートプレゼンス、時間軸を超えた体験共有により、制約から解放されたコミュニケーションの可能性について紹介しました。

続いて紹介されたのが、同社のXRプラットフォーム「MARINNE」です。AI任せではなく、「人の温かみ」と「デジタルの効率」を融合した設計が特徴で、3Dアバターを介したリアルタイムの双方向コミュニケーションを実現。遠隔・多拠点・多人数での同時参加や、観光案内、イベント活用など幅広い用途が想定されています。

さらに、VTuberとロケーションを組み合わせた地方創生のアプローチや、XR Kaigi Award 2023での最優秀賞受賞などの実績も紹介。XRを通じて、人手不足や観光集客、社会参加といった課題に新たな角度から向き合う姿勢が伝えられました。

「場所」は変えずに「体験」を変える —— XR技術を用いた「地域と都心の循環」と心豊かな未来の可能性

大淵まき子さん
トンガルマン株式会社 アカウントプランナー/パートナーシップコーディネーター

同社は、XR技術により、時間・身体・場所の制約を解放し、地域の可能性を拡張する未来について、アバターやVTuberを活用した事例を通じて提案。コンテンツ活用による現地集客や、遠隔参加・新しい働き方など「地域と都心の循環」を生む取り組みをXRによって実現する未来像を描いています。

また、「現在・過去・未来」を行き来する体験として、美術館VR、震災VR、七夕VR、花火アーカイブなどの具体例を提示。現地に行かずとも、その場の空気や記憶に触れられる体験が、暮らしや学びの質を変える可能性に言及しました。

最後に、XRは場所を移動させるのではなく、体験そのものを変える技術であり、働き方や暮らし方の選択肢を広げていくと強調。「豊かな未来を拡張できるのではないか」という問いかけで、心豊かな社会への展望を共有しました。

XRを使用した技能伝承システム「SHUGI(手技)」

大子修さん
株式会社USEYA 代表取締役

USEYAは、「テクノロジーによる真のものづくりDX化への挑戦」をテーマに登壇しました。

 

同社は、IT企業でありながら、あえて「ものづくりの現場づくりの場」構築に挑戦。現場に踏み込む姿勢が印象的で、拠点のBefore/Afterを交えながら、黒を基調とした近未来的な製造空間への刷新を紹介。現場とデジタル技術が交差する強みが、説得力をもって語られました。

また、2025年大阪・関西万博にて、バーチャル大阪ヘルスケアパビリオンや「大阪街中(まちじゅう)ものづくりパビリオン」での取り組みについても言及。リアルとバーチャルを行き来する体験設計が、ものづくりの価値を広く伝える手段となっています。

後半では、XR・スマートグラス・AIを組み合わせた技能伝承システム「SHUGI(手技)」を紹介。オンラインやテクノロジーでは無理だと思われていた、モノづくり・伝統技能分野における課題を、「真の意味でのDX」で解決していきます。

職人の手の動きを記録・可視化し、AIが再現度を評価することで、これまで個人に蓄積されてきた技を次世代へと手渡していく。その姿からは、過去と未来をつなぐ新しい技能伝承の可能性が感じられました。

聖地巡礼観光で目指す「地域の豊かな暮らし」

豊田悠さん
NTTビジネスソリューションズ株式会社 主査
観光振興へのアニメコンテンツ活用支援事業企画 プロジェクトリーダー

同社は、人口約150人の離島・男木島(香川県)を舞台に「地域の豊かな暮らし」を目指す取り組みについて語りました。

瀬戸内海中部に位置する、全周約7kmの小さな男木島では、署名運動をきっかけに学校を再開するなど、住民の強い想いを原動力に、衰退から再生への歩みが続いています。

明治28年建設の有形文化財である灯台等の島の日常風景がアニメの舞台となり、聖地巡礼観光の取組が開始。過去にはAR/VR、メタバース等の技術で観光体験の価値向上をご支援。現在は、ファンと地域の関係性が継続的に発展するようデジタル技術を活用した課題解決に取組中です。

本ピッチでは、地域に根付く想いと、NTT西日本グループのデジタル実装力を掛け合わせた共創モデルを紹介。観光をきっかけに、人の流れと関係性を育てていくことで、地域に息づく豊かな暮らしへとつなげていく姿勢が印象に残りました。

最後に、「アニメ・映画等の聖地巡礼の実行・運営に課題を感じる地域関係者様、そしてその課題をご支援いただける事業者様は、ぜひ意見交換をさせてください。」と協力を仰ぎました。

自転車の新たな交通ルールを体験する!

植村泰之さん
株式会社ミツマメプロ 代表取締役

植村さんは、コマ撮りアニメ制作で培った表現力を生かし、VR分野へと挑戦する取り組みを紹介しました。

今回展示されたのは、自転車の新たな交通ルールを体験的に学べる交通安全シミュレーターです。大阪は全国でも自転車保有台数が多い一方、交通法規が十分に守られていない現状があり、2026年には法改正と取り締まり強化が予定されています。

本コンテンツでは、VRシミュレーターやクイズ形式のゲームを通じて、楽しみながら最新の交通安全知識を身につけられる設計が特徴です。

また、植村氏はTVアニメ『ルカと太陽の花』(2024)に美術進行として参加するなど、映像分野での実績も紹介。エンタメを通じて、社会課題を解決する可能性を感じるピッチをしていただきました。

XR、Web、AIがもたらす体験の民主化について

柳康介さん
Synergy Products 体験創造家/XR デザイナー

柳さんは、自身の原体験を基に、XRという概念を「体験のデザイン」として再定義。XRを没入やバーチャルといった表層的な技術にとどめるのではなく、人の知覚や関係性を拡張するための手段として捉え直しました。WebやAI、位置情報と連動させることで、体験は特別な場所や装置に依存せず、誰もが参加できる「ひらかれたもの」へと変わっていくと語ります。

また、2025年 大阪・関西万博のwasseパビリオン内「未来航路」では、VRコンテンツやインタラクティブコンテンツ制作に参加。「未来航路」は、中小企業を未知の海へ挑む航海者に見立て、社会課題の解決に挑む技術やサービスを体験型で紹介する展示で、柳さんは未来ポートのインタラクティブコンテンツでデザインと実装を担当しました。

観光や教育、福祉といった社会領域への応用など、XRは新たな価値を生み出す可能性を秘めています。見る・触れる・感じるといった感覚を再設計することで、これまで体験の外側にいた人々を内側へ招き入れる。そんな「体験の民主化」を理念に掲げ、活動する思いについて共有しました。

XRとウェアラブルで未来を先取り!

山地直彰さん
ホログラム株式会社

ホログラムは、XR(AR/MR/VR)技術を軸に、未来の体験づくりをお手伝いする会社です。

スマートグラスやHMD向けソフトウェア開発をはじめ、簡易型MRグラス「だんグラ®」(安価で軽量なダンボール素材に独自開発のWWMRレンズ、ハーフミラー、ミラーを組み合わせたもの)や、「ホロスター」などのオリジナルハードウェアの提供、開発者向けSDK(ソフトウェア開発キット)、教育・学習コンテンツ制作など、XRとウェアラブルデバイスに関わる多彩なサービスを幅広く展開しています。

専用デバイスがなくても体験できるスマホ向けXRアプリの開発や、イベント・ワークショップの企画運営支援にも注力。実際に歩いて体験でき、構造を柔軟に変更できる「XRバーチャル迷路」を紹介しました。低コストかつ短期間で導入可能なXR活用例として、観光や教育、イベント領域への応用可能性を示し、共創の可能性を感じるピッチをしていただきました。

|15社によるVR/XR等関連技術・体験の展示

同日に、QUINTBRIDGE 1Fにて、15社によるVR/XR等関連技術・体験の展示が行われました。参加者は、技術を体験しながら、登壇者と交流を深めました。

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