事業の成長に繋がるQUINTBRIDGE活用法とは? 【スタートアップ編】- 株式会社iDevice 代表取締役 木戸 悠人様
  • インタビュー

事業の成長に繋がるQUINTBRIDGE活用法とは? 【スタートアップ編】- 株式会社iDevice 代表取締役 木戸 悠人様

公開日:
2023.10.3

QUINTBRIDGEでは、共創で社会課題の解決と未来社会の創造を成し遂げウェルビーイングが実感できる社会を実現するため、「学ぶ・繋がる・共創する」を軸に様々なプログラムやイベントなど実施しています。
そんなQUINTBRIDGEの施設やプログラム、コミュニティをフル活用し、自身の医療機器事業を成長させた株式会社iDevice 代表取締役 木戸 悠人さんに、QUINTBRIDGEの活用法や魅力についてお聞きしました。


木戸さんはあらゆる顔にフィット・変形する人工呼吸器マスク(製品名:javalla)を展開し、医療従事者の声を聞きながら現場の課題を解決する医療機器の開発を行っています。医療現場にいてビジネスや事業のことは全くわからなかったと語る木戸さん。そこから毎日医療機関へ商談に行くまでに成長した背景にはQUINTBRIDGEでの活動がありました。

QB1周年イベントで登壇していただいた木戸さん

▶QBの「学ぶ」プログラムILab.山崎ゼミに参加

QUINTBRIDGEとの出会いは、Peatixで館内ツアーのお知らせだという木戸さん。QUINTBRIDGEの施設を実施に見てすごくいいところだと会員なっていただきました。

木戸さん:
もともと病院で臨床工学技士として人工呼吸器に関する仕事をしていました。人工呼吸器のマスクは顔に密着させる必要があるのですが、既存のものでは患者さんひとりひとりに顔に合う形やサイズがなく、皮膚に負担がかかり、傷つけてしまう「圧損傷」という課題がありました。病院で抱えている問題を何とかしたい。そして単発ではなく、きちんと事業として成立させ持続可能な解決策を作りたいという気持ちが強くあり、「マスクに蛇腹構造を取り入れる」というアイデアを事業化したいと思ったのが起業のきっかけでした。


ただ、これまで医療現場での知識しかなく、ビジネスや事業のことは何もわからなかったという木戸さん。マスクを開発できたとしても、事業として成り立たせ、社会課題にも貢献し続けるためにはどうすれば良いかを学びたいという思いがあったと言います。


木戸さん:
山崎ゼミに参加した理由は、元々マザーハウスを知っていて、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」と、社会課題に真正面から取り組まれながらも事業として利益をあげ、拡大し続けておられるので、実例をもとに壁打ちさせてもらえると思いました。

ゼミでは「社会的に価値があるからいいじゃん。やってみなさいよ。」ではなく、事業としてやっていけるのかをよく問われました。山崎さん自身も事業を成長させる過程でかなり苦労されたお話も聞いていて、「良さそう」とスタートしても事業として永続できないと不幸になる部分も多く、そうならないための「事業を本気で磨く」愛のあるフィードバックをたくさんいただきました。

▶「I Lab.」 山崎ゼミで得たもの

木戸さん 
ゼミに参加して事業をよりブラッシュアップできました。製品は開発中でしたが、どうやって思いを知っていただき購入につなげていくのかを事前に勉強できたのがよかったですね。

あとはヘルスケアってプレイヤーが少いのですが、ゼミには薬剤師さんもいて、医療に関してお話できる方との出会いが嬉しかったです。医療以外の業界の方とも繋がりが生まれ、ゼミ期間中は自主的に集まって壁打ちや事業相談をよくしていました。ほかの人が抱えている課題は、いずれ自分も事業をしていると遭遇する可能性があるので、そういった視点からも自分だったらこういう場面に遭遇したらどうするだろうと一緒に考えたのは非常にいい機会だったと思います。

Facebook等でOB・OGとつながれるコミュニティがあり、ゼミ生は山崎さんのファンになっていくので山崎さんと会いたくて(笑)QUINTBRIDGEでゼミが開催されている日はよく交流会が開かれています。


(木戸さんとお付き合いも長い、QUINTBRIDGEコミュニケーターの三上さんも登場し一緒にお話をすることに!)

三上さん:
ゼミの申し込みの際に選考のためエッセイを書いていただきますが、木戸さんは解像度がすごく高かったですね。臨床工学技士として現場にずっと携わりながら起業をして、医療現場の課題として経済合理性がないものも多い現場だからこそ見える課題がある中で、経済合理性があるものを足がかりにどうやっていくかということを書いていました。だからインパクトもあり、ぜひQUINTBRIDGEのゼミ生になってもらいたいと思いました。

QUINTBRIDGEだから出会えた人がいる

木戸さん:
医療関係者の方で起業する人はかなり少ないんです。でも、人を助けたいという思いでやっていると、病院の中にいるだけでは限界を感じるところがありました。勤め先の病院には貢献できるかもしれないけど、ほかの地域でも同じように困っている方には貢献できない。そういう意味で、医療機器を作ると日本だけじゃなく、世界にも広まれば世界中の人たちを助けられるのですごく意義深く、やりがいのあることだと思っています。

今の環境で同じように思っている方には、QUINTBRIDGEをお勧めしたいですね。ここに来ると町の鍛冶屋さんもいるし、ロボット技術を持っている人もいるし、普段出会わない領域の人がたくさんいます。


三上さん:
ゼミでも、参加者の年代・男女比・業界が本当に多様で、事業としての接点がすぐあるわけじゃなくても結果的に繋がっていく可能性があると思うと楽しみですよね。そしてそれを楽しんでいる方々がここには集まっています。「どこかで何かできたらいいね」が合言葉になっている素敵なコミュニティです。


木戸さん:
繋がりは大事ですよね。QUINTBRIDGEとの出会いや学びで、考え方が変わったなと思います。社会に関する関心もすごく高まりましたし、どこかのお店へ行ってもビジネスモデルを考えたり、頭の体操をするようになりました。

ゼミで壁打ち会をしていた影響や、山崎さんのフィードバックに触れていくことによって自分の感覚が研ぎ澄まされていくと感じました。


三上さん:
木戸さんがゼミを開講しているという未来も近いかもしれませんね!QUINTBRIDGEの学ぶプログラム「UP↑UP↑プログラム」は、山をイメージしていますが、会員同士が「学びあい、教え合う」コミュニティをめざしています。

▶QUINTBRIDGEをフルで活用!3Dプリンターで製品検証

木戸さん:
QUINTBRIDGEにある3Dプリンターを製品検証に活用させていただきました。製品がどんな顔にもフィットするマスクになるんですけど、特に問題になるのが痩せこけた方。でも、痩せこけた病気の方の顔のマネキンは売っていないので作るしかなく、3Dプリンターで作りマスクを実際につけて検証しました。起業したては資金の問題や設備の問題もありますし、なかなか作れないので助かりました。

開発期間は何かとデスクワークが多いので、暇さえあればQUINTBRIDGEで!みたいな感じでした。いまはありがたいことに営業活動が増えたので来る頻度が少し減りましたが、ちゃんと進んでいるという証ですので嬉しい忙しさです。

▶iDeviceが目指す次の目標は

木戸さん:  
圧損傷を予防するための人工呼吸器用マスク(製品名:javalla)を開発していますが、私たちはこのマスクを世界に広めたいと思っています。まずは事業として成り立たせ、しっかりと日本で結果を出し、海外展開を目標に挑戦したいです。

QUINTBRIDGEでの出会いもあり、「作る」に関しては共創パートナの目星がついてきました。次は日本での展開、世界に届けるために商材を扱っていただける方やグローバルな方と出会いたいです。

▶木戸さんにとってQUINTBRIDGEとは?

木戸さん
QUINTBRIDGEで出会う方は自主的で熱い方が多いです。大阪から事業を始めようと思うような人たちが、集まる場所だと思います。

無料というのも魅力的ですよね。事業を始める前の一番資金がないタイミングで、さまざまな会員達との関係性を作ったり、気軽に相談できたり、そういう意味では一番重要な最初の種まきといいますか。事業が生まれるきっかけがここにはあると思います。 

私もここで他業界の先輩事業家と会って、すごく参考になるような話を聞かせてもらっているので、本当に来て良かったなと。

―― QUINTBRIDGEのコミュニケーターとも密にコミュニケーションをとっていらっしゃいますよね?

木戸さん:
何か行き詰った時は、私たちの中で最初に思い浮かぶのがコミュニケーターの方です。イベント企画や「こういうことができる人を探している」と相談すれば大体その分野の方を紹介いただけるので、気軽に相談してみるといいと思います。

事業経験がないと、どうやって探せばよいかもわからないというのが最初のつまずきだったりします。事業はヒト・モノ・カネが足りないとよく言いますが、それ以前に何がわからないのかもわからないという状況が普通なので、情報が圧倒的に足りていない時や何か困った時に、相談できる場所があるのはすごくいいなと思っています。


―― おススメするQUINTBRIDGEのプログラムやイベントはありますか?

木戸さん:
やはりゼミですね。どのゼミも本当におススメです。私は山崎ゼミに参加しましたが、秋元ゼミの参加者からもすごく興味深い内容をお聞きしたりします。ゼミは縦(同じゼミの他期生)も横(別のゼミ生)も繋がりが広がっていくのも魅力です。

あとは、開催されるイベントの質の高さがすごいなと。大阪では会えないような方と出会え、繋がりを持つことができるので、ぜひ現地に来てみてほしいです。知恵や情報が得られるだけでなく、すごく熱い人が多いので何かやりたいと思った時のブースターになると思います。

私みたいに事業を走り出している人もいれば、いまから立ち上げたいというような人もいて、そこがつながれるってすごいと思っています。少し先を行っている人と出会えると参考になりますし、「自分もできるかも」と勇気をいただけるので、そういう出会いが多いのも魅力だと思います。 


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木戸さんが受講された「 I Lab. 」の説明会が10月5日開催されます!
受講希望の方、迷っている方、何か一歩踏み出したい方、
ぜひ直接会場で雰囲気を感じてみてください。

皆様のご参加お待ちしております。

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