私らしく、あるがままに生きようと、スローガンのように唱えられている今。私らしく生きることで、人間が自己責任、個人主義、他人に無関心になっている一面を危惧する。我々は今、私であるということに満足し、「私たち」であることの大切さを見失いつつある。
私たちであるという状態は、どのようなものだろうか。
自然や宇宙、神など、神秘的な存在を見たり、触れたり、求めたり。包括的かつ受容的な私たちであるという状態は、時として、人間に強く現れる欲求のようなものである。それは、至高の美と愛の体験を求めたり、思わず手を差し伸べたくなるような利他的な行動をしたり、自己超越した状態で誰かとともにいることである。