「法律のプロに相談なんてまだ早い?」最初に知っておくと役に立つ法務・知財の話を開催しました!
  • イベントレポート

「法律のプロに相談なんてまだ早い?」最初に知っておくと役に立つ法務・知財の話を開催しました!

公開日:
2026.4.21

2026年2月25日(水)、「法律のプロに相談なんてまだ早い、私には必要ないかなと思っていませんか?〜最初に知っておくとずっと役に立つ法務・知財の話〜」を開催しました!

本イベントでは、TMI総合法律事務所より弁護士の林 雄亮さん、弁理士の両部 奈穂子さんをお招きし、起業前後の事業者やクリエイター、スタートアップ関係者などを対象に、事業を進める上で知っておきたい法務や知的財産の基本についてお話しいただきました。

当日は創業準備中の方から事業拡大フェーズの方まで、さまざまなバックグラウンドを持つ参加者が集まり、それぞれの立場から法務や知財に関する疑問や関心を持って参加しました。

講師紹介

林 雄亮

TMI総合法律事務所 京都オフィス
(弁護士法人TMIパートナーズの従事務所)
弁護士(京都弁護士会所属)

2010年から弁護士として執務し、カリフォルニア大学バークレー校に留学した後、2019年8月から2年半、シリコンバレーオフィスにて勤務。
2022年から京都オフィスに所属し、M&Aや、資金調達・事業連携を含むスタートアップに関する法務全般について、精力的にサポートを行っている。

両部 奈穂子

TMI総合法律事務所 大阪オフィス
(弁護士法人TMIパートナーズの従事務所)
弁理士

2005年弁理士登録後、特許事務所にて勤務し、2020年からTMI総合法律事務所にて勤務。
商標を専門とし、国内外での商標の権利化、調査、交渉、裁判に幅広く携わってきた。
近年は、スタートアップの支援にも力を入れており、セミナー、相談会等も精力的に開催している。

「法律をもっと身近に」弁護士の視点から事業法務を解説

イベント前半では、弁護士の林さんより、事業を進めるうえで押さえておきたい法務の基本について解説が行われました。

林さんは、「法律はとっつきにくいものと思われがちですが、事業を続けていくうえで必ず関わるもの。今日は少しでも距離を縮めてもらえたら」と話し、参加者に向けて法律を身近に感じてもらうことを目的に講演をスタートしました。

まず紹介されたのは、「法律相談は誰にすればよいのか」というテーマです。
法律の専門家には弁護士のほかにも弁理士、行政書士、司法書士、社会保険労務士など多くの資格があり、それぞれ得意分野が異なります。迷った場合はまず弁護士に相談し、適切な専門家を紹介してもらうという考え方も一つの方法である、という説明がありました。

また、弁護士の探し方については、紹介や勉強会などのつながりを通じて相性を見極めることの重要性にも触れ、「評価はなかなか外からは分かりにくいもの。実際に相談してみて相性を確かめるのも現実的な方法である」との話がありました。

さらに、弁護士費用を抑えるためのポイントとして相談内容の事実関係や目的を事前に整理しておくことの重要性をお伝えいただきました。経緯や関連資料を整理したうえで相談することで、弁護士側の作業時間が短縮され、結果的にコスト削減にもつながります。

一方で、インターネット上の契約書テンプレートをそのまま使用することについては、「内容の品質が分からず、かえって確認作業が増えることもある」と注意点も紹介いただきました。

ChatGPTなどのAIは「補助ツール」として活用

参加者の関心が高かった『契約書の確認などにAIツールを使うケース』についても話題が上がりました。

林さんは「ChatGPTなどを使うこと自体は悪いことではない」としつつも、契約書は立場や交渉条件によって内容が大きく変わるため、重要なポイントを完全にAI任せにすることはまだ難しいと指摘します。
そのため、AIは抜け漏れのチェックやたたき台として活用し、最終的な判断は専門家に相談するという使い方が望ましいと説明しました。


また、弁護士に契約レビューを依頼する際には、
・自社の立場
・相手方との交渉力関係
・どこを重視して修正したいか
といった背景情報を共有することで、より効率的なサポートにつながるといいます。

ブランドを守る「商標」の重要性

続いて後半では、弁理士の両部さんより、知的財産の中でも特に商標に焦点を当てた解説が行われました。

商標は、商品やサービスの「出所」を示すものであり、ブランドの信頼を支える重要な仕組みです。
会社の売上を左右する場合もあり、この点が具体的な事例と共に紹介され、商標が問題になる典型例についても実例が紹介されました。

事業の成長とともにブランド価値が高まっても、商標登録を行っていなければ名称の使用を制限される可能性もあること、商標登録には一定の審査期間が必要で、出願から登録まで812か月程度かかるケースもあるため、「ブランドを立ち上げてからではなく、できるだけ早い段階で準備することが望ましい」ことが解説されました。

さらに、商標は商品やサービスの分類ごとに権利範囲が決まるため、将来の事業展開を見据えて出願範囲を検討することが大切だと紹介されました。

海外展開を見据えた場合には、ブランド名の先取りや模倣といったリスクもあり、予防的な権利取得の重要性についても説明が行われました。

参加者のリアルな疑問に応える質疑応答

イベント後半では、参加者からの質問をもとにしたディスカッションも行われました。

新しいサービスや事業を構想する中で生まれる法務や知財に関する疑問について、登壇者が具体例を交えながら回答。会場からは、AIを活用した新規事業やクリエイティブ分野での取り組み、独立や新規事業立ち上げに関する法務上の注意点など、実際の事業づくりに即した質問が次々と寄せられました。

登壇者のお二人はそれぞれの専門の視点から、契約や権利関係を事前に整理しておくことの大切さや、トラブルを未然に防ぐための考え方についてアドバイス。参加者は真剣な表情で耳を傾けながら、今後の事業への活かし方を考えている様子が見られました。

あなたの疑問は、だれかの疑問!あるあるな悩みや質問を共有することが、参加者の皆さん役に立つ。そんな空気が流れる質問タイムとなりました!

また、事業を進める中では、過去の契約内容や権利関係を確認しておくことも重要であると紹介され、法務や知財の観点から事業を見直すきっかけとなる時間となりました。

事業の成長を支える「予防法務」

イベント全体を通して繰り返し語られたのは、「トラブルが起きてからではなく、事前に備えること」の重要性です。


契約書の整備や商標登録などは、後回しにされがちな分野ですが、紛争が起きてから対応するよりも、早い段階で準備するほうが結果的にコストやリスクを抑えられるケースも少なくありません。

QUINTBRIDGEでは、今回のイベントに加え、法務や商標に関する個別相談の機会も提供し、専門家と気軽につながれる環境を通じて、事業者が安心して挑戦できる環境づくりを支援しています。

今後もQUINTBRIDGEでは、事業づくりに役立つ知見やネットワークを共有するイベントを継続的に開催していきますので、ぜひ現地でのご参加お待ちしております!

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