
- イベントレポート
【自治体ピッチ】名古屋市×京都市コラボ企画!官民共創をめざす課題ピッチを開催しました!
- 公開日:
- 2026.3.30
2025年12月15日(月)、QUINTBRIDGEの人気プログラムの一つ『自治体ピッチ』を名古屋市と京都市のコラボで開催しました。
各市6つの課題を持ち寄り、会員の皆さんとの共創をめざします。数々の官民共創を生み出しているQUINTBRIDGE。どんな共創の種が生まれるのか、各市の思いを届けるピッチの様子をご紹介します!
|官民共創について

株式会社よい根 前田 展広 様
京都で社会的ブランドや、コミュニケーション事業の運営などの支援をしている前田さん。2015年から京都市で、京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)という社会的課題の解決に挑戦する企業やNPO、個人を支援する事業コミニティで、認定事業や事業開発のお手伝いをしてこられました。
そんな前田さんより改めて、「公民連携」についてレクチャーをいただきました。
「公民連携とは、”行政だけでは解決できない社会課題”を、民間の資金や、技術、ノウハウを活用し解決すること。行政だけでも、企業一社だけでも、社会課題の解決はできません。国は、2031年度までに、公民連携・民間資金活用の事業規模を30兆円にまで拡大する目標を掲げています。行政、そしてさまざまな企業が連携し、シナジーを生み出す新規事業に挑戦することが、社会課題解決につながると考えています。」
また、社会的企業の商品やサービスを選択する消費者が増えていることに触れ、社会課題は「新しいマーケット」であり、民間企業の参入のメリットについても紹介。業界を超えて、アセットを共有し合い、挑戦をうながす大切さについて、お話いただきました。
|京都市・名古屋市から、提案窓口のご紹介

■名古屋市 NAGOYA FRONTIER
中京経済圏の中心都市である名古屋市は、アジア競技大会・アジアパラ競技大会の開催など、さらに魅力ある都市への転換・成長期にあります。そんな中、行政課題の複雑化や多様化が進むいま、多様な主体と連携する「公民連携」が、課題解決のカギに。
一方、過去関わってきた企業からは、
・どの部署に相談すれば良いかわからない
・部署のたらい回しになってしまう
・文化の違いで話がかみ合わない
・検討段階で相談しづらい
といったお声もいただいてきました。
そこで、民間提案の一元的窓口として、公民連携施策を「ナゴヤフロンティア」として掲げ、綜合調整課に窓口を開設。令和4年8月~令和7年3月の間、ご提案件数は約430件、連携実績は約200件と、多くの公民連携を生み出してきました。
名古屋市から課題を提示する「テーマ型提案」と、民間から自由に提案ができる「フリー型提案」の二つの精度を設け、相談や伴走による丁寧なやり取りが、異なる文化である行政と民間企業を繋いでいます。

■京都市 KYOTO CITY OPEN LABO
歴史と文化・伝統のまち、京都市は日本伝統の奥深い文化が日常にも色濃く息づいており、多様な人材が京都に魅了され集まり、常に新しいエネルギーを生み出してきました。
2023年3月には、「文化庁」が京都市に移転。観光や伝統産業、アニメなど京都の強みを生かし、新しい日本文化の発信拠点として、新たなビジネスの発想が期待されています。
また、36の大学・短大、約15万人の学生がおり、新卒人材やインターン生をはじめ、多様な人材の宝庫としても注目されています。企業と大学のマッチングなど、産学公連携の推進を通じて、新事業・新産業の創出に対する支援体制が整っているのも強みです。
京都市は、突き抜ける世界都市京都の実現に向け、令和7年3月「新京都戦略」を策定。行政、企業、団体、NPO、支援機関など、あらゆるものの垣根を超えた取組を実施しています。
「京都市と共に新たなソリューションの社会実装を目指しませんか。」
民間事業者からの提案を募集するプラットフォームとして、「KYOTO CITY OPEN LABO」を紹介。令和3年8月からスタートし、これまで約470件の提案と、160件以上の連携が成立しました。
京都市からテーマを示し、提案やアイデア等を募集する「テーマ型」と、テーマを問わず自由に提案できる「フリー型」の二つの形で、共創事業の創出を目指します。
|社会課題紹介プレゼンテーション(6課題:各市3課題ずつ)
名古屋市の3つの課題
■課題①|地域コミュニティへの理解促進/負担のない地域活動のやり方の検討
名古屋市 スポーツ市民局 地域振興課

近年、地域役員の高齢化やライフスタイルの多様化など様々な要因で地域活動への参加者が減少するなど、従前の地域活動を継続して実施していくことが困難になっている地域が増えてきております。 持続可能な地域活動に向けて、働きながら、子育てや介護を行いながらでも行える地域活動にするため、負担軽減に関するアイデアや新しい地域活動(地域コミュニティのあり方)へ支援策をいただきたいと考えています。 また、地域活動への参加者の減少に伴い、当該地域でどのような活動(お祭り、避難訓練等)を行っているかを知らない方も増加していますので、その必要性を理解し、関わってもらえるよう、地域コミュニティへの理解促進を進めたいと考えています。
これらの課題を解決し、「持続可能な地域活動」の実現をめざしています。
▶ 想定する解決策
①地域活動の負担軽減アイデア
②新たな形の地域活動への支援策
③地域活動を知ってもらう、新たな参加者を呼び込むアプローチ
企業側のメリットとしては、「新たな事業創出のヒント」と「企業のイメージアップ」があり、行政からディスカッションやフィールドの提供などサポートも丁寧に行っていきます。他にも課題への解決手法があれば、ご提案お待ちしています!
課題②|ラムサール条約湿地都市認証や藤前干潟の認知度向上
名古屋市 環境局環境 企画課

名古屋市は1999年に藤前干潟の埋立計画を断念し、ごみ非常事態宣言を発表して市民、事業者の協力のもと大幅なごみ減量を達成し、藤前干潟を保全しました。これまで、藤前干潟の保全・活用に向けた取り組みとして、環境省やNPOと協働しながら、干潟体験などの環境教育プログラムの実施、子どもたちを中心に多くの市民の皆さんに参加いただきました。他にも、自ら環境保全活動に取り組むことができる人材の育成を目的に、オーストラリア・ジロング市と2007年に湿地提携を締結し、中学生を派遣するなど積極的に活動してきました。こうした取り組みが認められ、2025年にラムサール条約湿地都市として認証されました。
しかし、認証の意義や干潟の魅力が市民にまだ十分には伝わっておらず、市民アンケートによると藤前干潟の訪問経験者は約30%にとどまるため、認証の意義や干潟の魅力が市民にまだ十分には伝わっておらず、さらなる認知度向上と保全活動への市民参加を促す取り組みが求められています。企業の皆さんのアイデアや力をお借りして、特に若年層や子育て世代に、藤前干潟や湿地の価値を理解してもらえるような、効果的な広報・普及啓発、環境教育を行いたいと考えています。
これまでにも、藤前干潟の保全・活用に向けた取組みとして、干潟体験などの環境教育プログラムの実施、環境省やNPOとの協働など、子どもたちを中心に多くの市民の皆さんに参加いただきました。
他にも、自ら環境保全活動に取り組むことができる人材の育成を目的に、オーストラリア・ジロング市と2007年に湿地提携を締結し、中学生を派遣するなど積極的に活動してきました。
今後の課題として、市民への認知度向上をめざし、企業とのコラボによるイベントや商品開発、SNSや動画などデジタルメディアを活用したプロモーションなどを行っていきたいと考えています。ぜひご提案ください!
■課題③|名古屋市立八事霊園墓参者の①霊園内移動負担軽減、②霊園駐車場不足の解消
名古屋市 健康福祉局 環境薬務課

1)霊園内移動負担軽減
八事霊園は広く、高低差もあるため、墓参者の霊園内移動が大きな負担となっています。墓参者は高齢者が多く、夏場は熱中症等の体調不良になる方もおり、墓参を負担に感じるとの声もあがっています。 一方で、当霊園の墓参道は狭く未舗装の道や階段が多いため、バスなどの車両を走らせることが困難です。そのため、移動サービスの提供は実現できておらず、墓参者の負担軽減に対応するサービスの提供が必要であると考えています。
2)霊園駐車場不足の解消
駐車可能台数が少なく、墓参者が集中する時期は駐車場が満車となり、渋滞が発生します。しかし、当霊園敷地内には、駐車場を増設するまとまった土地がなく、増設が困難です。そのため、公共交通機関の利用を呼びかけ、特に混雑するお盆と春彼岸は、メインの駐車場を封鎖して駐車場の利用を制限しています。墓参者からは、駐車場増設の声が寄せられており、駐車場不足の解消のための対策が必要であると考えています。
このような課題は、本市だけでなく、他地域でも起こりうる課題です。負担なくお墓までたどり着ける方法、そして園内駐車場の増設なく、来園者が車で来園できるようなアイデアを共に考え、課題解決してみませんか。
京都市の3つの課題
課題①|”ポイ捨てゼロ”美しいまちをつくる仕組みづくり
京都市 環境政策局 循環型社会推進部 まち美化推進課

京都市では、観光客の増加に伴い、ポイ捨て等の「ごみ問題」が顕在化しており、地域・事業者と連携した美化活動や、啓発看板の設置など様々な対策を講じていますが、依然として、市民からは「近所でのポイ捨てに困っている」「ごみの持ち帰りマナーや分別ルール等を知らない外国人も多い」等といった声が多数挙がっています。
「京都を訪れる人々のポジティブなアクションによって、観光地にごみが落ちていない状態」があるべき姿であり、実現したい未来です。しかし現状は、依然として、ごみの散乱が局所的に生じています。
そこで、観光客の方々にもマナー・ルールを守っていただき、さらには、「京都をより美しくしたい・貢献したい」といった意欲の喚起・向上につなげることを目指した新たな取組に、企業等の皆様とともにチャレンジしたいと考えています。
今回は、観光客の行動変容につながる取組を、広く募集したいと語ります。ナッジ理論を用いたサイン・看板、SNS等のデジタル媒体を活用した啓発企画、インセンティブを付与した体験型プログラムなど、スポット的な小さな取組から大きなプロジェクトまで、幅広く提案をお待ちしています。
課題②|京都市域産材「みやこ杣木(そまぎ)」のブランド価値を高める
京都市 産業観光局 農林振興室

皆さんは「みやこ杣木(そまぎ)」をご存じでしょうか?京都市では、市域産材木材を「みやこ杣木(そまぎ)」と名付けて、需要拡大に取り組んでいます。
かつては、和室の床柱に使用される北山丸太が有名でしたが、和室の減少により出荷量が落ち込むなど、京都の林業及び関連産業は厳しい状況にあります。 しかし、京都には、独自の歴史性や地域性という、ストーリー展開によりブランド力となり得る強みがあります。京都市は、この強みを最大限いかすべく、みやこ杣木のブランディングに挑戦しています。
木を使うことの意義は多岐にわたります。CO2の吸収能力の維持向上、山村の活性化、広がる木材の利用による炭素の固定、そういった循環が森林のバランスを守ります。そういった意義にある取組のために、どうすればみやこ杣木を知ってもらえるか、どうすればみやこ杣木を選んでもらえるか、解決アイデアを募集しています。
▶ 想定する解決策
・アートやデザイナーによる新たな活用
・みやこ杣木の歴史や成り立ち、土地の記憶に寄り添った新たな企画
・雑誌、メディアとの連携企画
・その他、「みやこ杣木」のブランド力を高める取組
共に考え、みやこ杣木の未来を創っていきましょう!
課題③|持続可能な施設運営の実現に向けたランニングコストの削減
京都市 行財政局 資産イノベーション推進室

京都市には、市庁舎や美術館、体育館、保育所など約800の公共施設があり、その半数以上が築40年を超え、老朽化が進行しています。しかし、これまでの厳しい財政状況から、十分な施設修繕ができていないのが現状です。 公共施設は市民の日々の生活を支える重要な施設であり、市民に安心安全で快適に利用してもらえる施設づくりを目指していく必要があります。 そのため、事業者の皆様の優れた技術やノウハウ、アイデアを活用した連携を通じて、施設の光熱水費や修繕費の削減、ICTの導入による効率化などを推進し、持続可能な施設運営を実現したいと考えています。
公共施設をとりまく現状は厳しく、築40~60年の施設を中心に建設時期が集中しており、老朽化の進行による多額の維持更新経費がかかります。その費用は、今後20年間で800~1200億円/年で推移する見込みとされています。
節水器などの設置による省エネ、窓や床のコーティングによる劣化や汚れ付着の防止(建物の長寿命化)など、さまざまなアセットを活用したアイデアを求めています。
京都市と共に、未来につながる施設づくりをしてみませんか。

現地参加者、オンライン視聴者ともに多くの会員の皆さんに注目いただいた自治体ピッチ。気になる課題、提供できるアセット、解決アイデアなどがある民間企業の皆さんは、ぜひご気軽にQUINTBRIDGEスタッフまでご相談ください!
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