
- NEW
- イベントレポート
万博の熱気を未来へ!QUINTBRIDGEで「リボーンチャレンジ・ショーケース in QUINTBRIDGE」を開催しました
- 公開日:
- 2026.2.12
2025年11月17日・18日の2日間にわたり、大阪・関西万博の成果を未来へつなぐことを目的とした「リボーンチャレンジ・ショーケース in QUINTBRIDGE」を実施しました。
大阪のものづくり企業を支援するMOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)との共催で実現した本イベントは、万博の目玉企画の一つとなった「リボーンチャレンジ」で展示された、優れた中小企業・スタートアップ14社が一堂に集結。ピッチと展示で、各社の革新的な技術や製品にふれていただき、万博をきっかけに生まれたイノベーションの波を、さらに大きく広げていく機会となりました。
<w注釈>
・リボーンチャレンジ:https://osaka2025.site/
万博への参加をめざす、優れた中小企業・スタートアップを発掘し、大阪ヘルスケアパビリオンでその象徴的な成果を効果的に発信できるよう、万博会期中だけでなく、準備期間や開催後も視野に入れた支援事業企画のこと。企画・運営は、公益財団法人大阪産業局と大阪商工会議所が、共同で「中小・スタートアップ出展企画推進委員会を設置し、大阪府、大阪市と協力しながら運営。
・MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪):https://www.m-osaka.com/jp/service/
大阪府と(公財)大阪産業局が連携して運営する「府内ものづくり中小企業の総合支援拠点」
・デモデイ:スタートアップが製品や事業計画を投資家等にプレゼンテーションするイベント
|デモデイ - 14社によるピッチ・展示ブース
※登壇順
革新的金型が描く持続可能な物作りの未来
大阪府堺市に拠点を置くハイテン工業は、創業1950年(昭和25年)の老舗として、自動車や建築用のボルト・ナット等を製造する際に使われる冷間・熱間鍛造用金型の製造・販売を手掛けています。
今回、リボーンチャレンジで彼らが示したのは、加工が難しいとされてきたチタンやインコネルといった、高温下でも高強度を維持する耐熱材料の熱間鍛造を可能にする革新的な技術。従来の切削加工では材料ロスが大きく生産性が低いという課題に対し、「薄肉中空形状」の鍛造を可能にする技術を開発しました。この技術は、材料使用量の削減と、鍛造工程の省エネルギー化を同時に達成し、生産性の向上と環境負荷の低減に大きく貢献すると期待されています。
注目すべきは、チタン(Ti-6Al-4V)を熱間鍛造できる技術を、大阪産業技術研究所との共同開発で確立した点。世界でも類を見ないこの技術は、高級合金の加工における材料費の削減と、環境低減を両立させる、未来のものづくりに向けた大きな一歩となると同社は語ります。
難加工材の常識を覆し、持続可能な社会に貢献するハイテン工業の「革新的金型」が、製造業の未来を力強く牽引する、そんな未来に期待が高まるピッチでした。
世界中どこでも農業を実現する
スパイスキューブは、2018年設立、メンバーは3名のまだまだ小さなスタートアップ企業です。同社は、深刻化する日本の農業人口の減少と高齢化という課題にフォーカスし、次世代へ安定した食を繋ぐための事業を展開しています。
その核となるのは、街中の空き物件や空きテナントを活用した「小さな植物工場」の設計。郊外の大規模な農場とは異なり、初期費用を大幅に抑えることを得意とし、大企業だけでなく中小企業でも農業に参入しやすい環境を整備しています。
事業の三本柱の一つ目は、植物工場の設計。二つ目は、運営ノウハウや技術、さらには販路開拓までを一貫して支援する農業人材の派遣。そして、三つ目の「買取サポート」。設計と人材派遣で参入ハードルを下げ、事業開始直後には、野菜ができても販売先が見つからない初期段階の生産物を同社がすべて買い取り、自社の販路で売り切ることで、企業が利益を残せるビジネスとして農業を成り立たせています。
高齢化が進む日本の食料問題を解決し、「ビジネスとして成立する農業」の実現をめざすスパイスキューブ。万博での展示を通じて、その革新的な都市型農業モデルを広く発信しました。
写真を撮影するだけで工事写真台帳が完成!
建設現場の課題である「工事写真業務」の効率化に特化したDXソリューションを提供している同社。建設現場では、1工事現場で 10,000枚以上の写真を撮影しています。さらに毎日の作業後には最終的に報告書としてまとめる作業が必須となり、毎日1〜2時間の人件費がかかる業務となっています。
そんな課題を解決するのが、アプリ「Cheez」。アプリで写真を撮影するだけで、最後の報告書提出までが自動で完結する仕組みにより、実際に利用した顧客のうち、93%の企業が人件費削減を実現しました。
さらに強みとなるのが、徹底した現場目線でのサポート体制です。同社のスタッフは、全員が現場監督経験者。アプリによる効率化に加え、彼らが専門的な知見をもってサポートし、「丸投げ」を可能にしています。
verbal and dialogueは、現場監督の経験とDX技術を融合させ、建設業界の生産性向上と人手不足解消に貢献します。
手のひらサイズのミライの検査キット
大阪大学の技術を基に設立。「いつでも・どこでも・誰にでも、医療グレードの迅速検査を提供する」をミッションに掲げ、世界最小クラスながら高性能・高感度な測定を実現した手のひらサイズの迅速検査機器を開発しました。
その小型化と高性能を両立させた鍵が、独自技術である免疫測定法「GLEIA(グライア)」にあります。従来は、測定結果を定量化する際に光信号に変換していたため、高感度になるほど機器が大型化・高価になるという課題がありました。
これに対し、GLEIAは測定結果を電気信号に変換。小さな電流計一つで高感度な定量測定を可能にし、手のひらサイズの測定器を実現しました。
この革新的な技術により、検査は大幅に手軽になります。使い方は、測定器に、唾液、血液、尿などの少量の検体を滴下するだけ。約10分で様々なバイオマーカーを測定できます。
活用シーンは多岐にわたり、クリニック・病院での診療、在宅医療、介護現場はもちろんご家庭でのヘルスチェック、ペットの健康管理(アニマルヘルス)、そしてアスリートのコンディショニングや怪我予防などでの活用を進めています。イムノセンスによる手のひらサイズの検査キットが、人々の健康管理を大きく変える可能性に期待が寄せられています。
テレポーテーションできるとしたらどこに行きたいですか?
「五感の再現」で移動格差を解消するオンラインサービス「GENCHI」を提供する同社は、「格差の解消」、特に移動と地域格差の解消を使命としています。
「GENCHI」は、五感をブラウザ上で疑似的に再現し、物理的な移動の代わりとなることをめざしたオンラインサービスです。ユーザーが遠方の展示会に参加したり、あるいは上空から特別な景色を眺めたりするなど、その場にいなくても臨場感あふれる体験と目的の達成を可能にしています。現状、視覚、聴覚、触覚といった感覚を再現することで、地域や身体的な制約による移動の格差を解消する画期的な仕組みを構築。
ピッチでは、このオンラインサービスを真の移動手段の代わりになるものに進化させたいと強調し、今後は視覚、聴覚、触覚に加え、香りの嗅覚や味覚といった、残りの五感の再現をも実現したいとの展望を表明しました。
現在、同社はさらなる技術開発とサービス拡大に向けて資金調達中であり、50万ドル規模の投資を募集しています。五感の再現を通じ、オンラインで世界中どこへでもアクセスできる未来の実現に挑むtoraruの動向に注目が集まります。
生活発電 "Life Generation"
株式会社ユニオンドアテックは、大阪の金物メーカーであるユニオンと、鍵メーカーのシーズンテックが出資し設立された、エネルギー問題と高齢化社会に対応する二つの革新的なシステムを提案しているベンチャー企業です。
主に2つのソリューションを開発しています。一つ目が、特許も取得している「倍速ギアシステム」。これはギアとワイヤーを組み合わせることで、わずか数十センチの扉の開閉動作といった小さな動きを何十倍にも増幅させ、発電するシステムです。一度の扉の作動で、約8ボルトの電力を発電。日常の何気ない動作をエネルギーに変え、その電力を自動開閉装置の電源として使用したり、この発電ユニットを複数設置することで、災害時に使用する電力として活用することも可能です。
そして、もう一つのソリューションが、「自動開閉システム」です。これは、既製品のドアレールに電気工事なしで後付けし、自動開閉扉を実現するシステム。単4電池4個で約3,000回の開閉が可能であり、多目的トイレなど、バリアフリー対応を安価かつ容易に実現するソリューションとして期待されています。
高齢化社会への対応、そして世界的なエネルギー問題の解決に貢献するユニオンドアテック。倍速ギアシステムは2〜3年後の事業化を見据え、また、自動開閉システムは間もなく量産化フェーズに入りたいと語りました。万博の大阪ヘルスケアパビリオンでもシステムを展示した同社。事業化に向けた協業パートナーを求めています。
Joinと一緒に「エコ」に触れて遊びながら学ぼう
株式会社Ringは、開発設計から設備、運営までを自社完結できる「完全一貫生産システム」を最大の特徴とする総合ものづくり企業です。国内外に生産拠点を展開し、総勢約1,500名に及ぶグループ体制でグローバル戦略を推し進めています。
同社のものづくりは、精密加工技術を基盤とし、試作・金型設計から最終製品の組み立て・検査まで、高精度な技術を提供しています。金属プレスでは、薄物の高精度・高速プレス加工を実現する順送プレス金型を得意とし、弱電コネクタなどの精密電子部品の大量生産にも対応。また、プラスチック成形では、金属プレス部品を組み込んだ複合インサート部品の高品質生産を実現しています。
事業展開は多岐にわたり、ISOを取得した工場での車載電装モジュール(社会分野)、医療用ISO 13485を取得した工場でのメディカル部品、スマートフォンなどに使われる精密電子部品(アミューズメント分野)、さらにはガス警報器用のスピーカーなどのセキュリティ分野まで、幅広い業界のニーズに対応。また、液体用の容器や産業用機能性メッシュフィルターなど特殊素材、高機能商品を含む、もの作りに必要な開発資材も数多く取り扱い、業界に応じて提案しております。
樹脂でも金属でも金型から最終製品まで一貫して製造できる強みを生かし、様々な企業との共創を通じて、地球環境に配慮した持続可能なものづくりをめざしています。
「地球にいいこと始めよう」自然に還るお皿
107年という長い歴史を持つ多田プラスチック工業株式会社は、ものづくりを中心としています。70年以上の歴史を持つプラスチック成形、50年以上の実績がある断熱や軽量化に関わるウレタン成形、そして25年続くマイクロポンプの製造という三つの事業を主軸に展開する同社。
今回、リボーンチャレンジおよび万博(西日本プラスチック協会枠)で同社が提案したのは、環境に配慮した生分解性プラスチック製品「Eco Sakura Plate(エコ桜プレート)」。
この製品の最大の特徴は、石油由来の原料が0%と完全未使用な点です。これにより、日常使いや贈り物を通じて「地球にいいこと」を始められるという、新しいアプローチを提案しています。さらに、万が一、土の中や海水の中に廃棄されても、微生物によって分解される生分解性を有しており、マイクロプラスチック問題に対する一つの解決策となることが期待されています。
高い耐久性も備えており、食洗機や洗剤に対応しているため、使い捨てではなく長く使用することが可能。すでに大手カフェチェーンをはじめとする販路での採用がスタートしており、脱プラスチックの流れの中で、環境と利便性を両立させる同社の技術に注目が集まります。
月面探索電動バイク / 災害救援でも貢献
RIDE DESIGNでは、プロダクトデザイナーでありレーシングライダーでもあるチーフデザイナー濱田氏が、『月面探索・災害救援向け二輪バイク』の開発を推進しています。
本プロジェクトの原点は、阪神淡路大震災での実体験にあります。震災時、大阪〜神戸間は通常30〜40分で移動できるところ、渋滞により6〜8時間を要しました。この経験から、「タイヤ幅30センチさえあれば、悪路でもいち早く現場に急行できる二輪車の必要性」を痛感し、道路寸断が初動遅延や人命被害につながる現在の課題に挑んでいます。
開発中の救援バイクは、原付免許で誰でも操作できる軽量・コンパクトな設計で、悪路走破を支援するAIを搭載。独自の折りたたみ構造(知財申請中)を備え、通信機能や緊急キットを標準装備します。また、「走るバッテリー」として現場へ電力・通信を供給できるため、被災者が直面する「電気がない」「通信が途絶える」といった課題にも対応します。
さらに本技術は、宇宙探査領域でも注目されています。大型ローバーを補完する高機動な月面探索手段として期待され、クレーターや岩石地帯でも二輪車ならではの小回りと機動力が発揮されます。実際に、宇宙飛行士による試乗でも大きな関心と高い評価が寄せられています。
「今そこにある命と、宇宙時代の人類の未来のために」
RIDE DESIGNでは、志を共にする仲間を求めながら、1日も早い配備実現に向けて開発の加速の為の資金調達の必要性を力強く訴えました。
200万分のいま?
BeLiebeが提案する「EggU(エッグ)」プロジェクトは、バイオテクノロジーの力で女性のキャリアとライフプランにおける選択肢を創出することをめざしています。
女性の社会進出が進む一方で、仕事の頑張り時と出産適齢期が重なってしまう。そんな社会課題を解決するEggUは、自宅でできる卵子数検査と専門家とのオンラインカウンセリングがセットになったプロダクトです。卵子の数(AMHホルモン濃度より計測)を、自宅で少量の血液を採取し郵送するだけで、科学的根拠に基づいた数値として簡単に知ることが可能に。
さらに、専門家による伴走支援を提供。カウンセラーは、不妊治療の臨床現場で女性を支えてきた経験や本人が不妊治療経験を有する助産師・看護師などが担当。検査結果の解説に留まらず、利用者が理想とするキャリアライフに向き合い、一歩踏み出すための支援を提供します。
このサポートの結果、利用者の約7割に「行動変容」が発生。結果を知って安心して海外キャリアに挑戦したり、妊娠の有無に関わらず体を大切にする行動を取るなど、利用者が自身の未来の選択に自信と確信を持つきっかけとなっています。「未来はもっと自由でいい。」を合言葉に、同社は女性たちが自分の意志で人生を選択していくためのサポートを続けます。
ユーザーのウェルビーイングな未来を実現
「生まれることのできなかった、たったひとつのいのちでさえも取り残されない未来」の実現をめざし、働く人々の支援に特化したヘルスケアサービス「THE CARE」を提供。
同社は医療従事者であった代表の原体験から、出産や介護といった個人の事情を抱えながら働き続ける人々を、病院外からサポートするために設立されました。
サービスの核となるのは、企業ごとに配置されるウェルネスコーディネーターです。従業員とその家族は、アプリを通じて、この自社専属の専門家へいつでも自由に相談が可能となります。また、各コーディネーターは、企業の福利厚生や制度を熟知した上で実践的な対応を行い、各ユーザーに合った対応が強みです。
また、相談内容は毎月レポートとして企業に提供され、健康経営やダイバーシティ推進に効果的に活用されています。さらに、現在は経済産業省の実証事業、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の実装に取り組んでおり、ストレスチェックや健康診断の結果を取り込むことで、より質の高いケア提供ができる仕組みを構築中。
今後は、医療機関やベビーシッターへの紹介といった実務的支援を行うハブとしての機能拡張に加え、AIによる自動化にも取り組むなど、ユーザーのウェルビーイングな未来を実現するための挑戦を続けています。
ステーブルコインで新しいデジタル資産運用
暗号資産やNFTを管理するためのデジタルウォレット、「web3ウォレット」の開発・運用を主軸とするスタートアップ企業です。ユーザーのビットコイン等の資産を暗号資産取引所が管理する従来のウォレット(カストディアルウォレット)に対し、ユーザー自身が資産を管理するウォレット(ノンカストディアルウォレット)へと世の中のマクロな動きがシフトする中で、同社は後者のサービスを提供しています。
大阪・関西万博(以下、「万博」)では、「EXPO2025デジタルウォレット」を提供。最終的に100万ダウンロードを達成し、注目が集まる同社。この成功を基盤に、「HashPort Wallet」へとサービス名を変更し、万博以降も運用を継続しています。
万博での社会実験期間中には、大阪を中心に南海電気鉄道株式会社、全日本空輸株式会社、一般社団法人大阪外食産業協会など170社以上の企業・自治体とweb3技術を活用したキャンペーンを実施。電子マネーやポイント、クーポンといったWeb2時代の価値をブロックチェーン技術を活用した新しい価値の形に変換し、Web3ウォレットを通じて生活や社会に実装する取り組みを推進しています。
直近では、KDDIとの資本提携を締結。この連携により、Pontaポイントをステーブルコイン(電子決済手段)に変換し、最終的にau PAYにチャージして利用できる仕組みを実装します。これまで馴染みの薄かったステーブルコインを、ユーザーの生活に直結する決済手段として根付かせ、新しいデジタル資産運用の未来を切り拓く同社の動向に注目が集まります。
石油に頼らない新しい合成繊維
創業約55年を誇る同社は、繊維製品の製造設備販売を基盤としつつ、素材、そして技術提供の三つの事業を展開する「ものづくり」企業です。同社の最大の強みは、業界で唯一と自負する、撚糸機・編み機・ワインダー・製紐機・ニードルパンチ機など、様々な繊維機械を取り扱う総合的な製造・販売能力にあります。
この機械製造のノウハウと、世界中から調達する多様な素材に関する知見を掛け合わせ、同社は20年ほど前から研究開発の請負事業を推進。その技術は、人工肋骨や人工血管、再生細胞治療器具、自動車・航空部品など、最先端の分野へ応用されています。
万博では、「The 糸へん」として、「非石油由来で気体中の汚染物質を利用した新しい繊維素材」を展示。脱炭素が求められる時代において、石油に頼らない未来の合成繊維開発に取り組む姿勢をみせました。
パートナーの多くは、繊維業内外の大企業や大学、スタートアップ企業など、主に糸を使って新しいものや技術を生み出したいというアイデアを持つ異業種。既存の機械で対応できない場合は、機械を改造・オリジナル設備を製造する技術力で応えるほか、長期間のプロジェクトでは、技術顧問やCTOとしてジョインし、技術のトップを担うなど、深く共創するスタイルで事業を推進しています。糸へんの技術なら何でも対応すると、共創パートナーを求めるメッセージを語っていただきました。
"環境の聴診"切り株インターフェース
「音で世界をかえる」をミッションに掲げ、多様な分野で音響技術を応用し、医療における生体音用センサーシステムや産業機械の異常音検出システムのように、見えないものの状態や動作を音で検出する技術を社会実装することを進めています。
万博では「いのちの奏でる音」をテーマに、生体音を採取しAI解析するシステムなどを展示。特に注目を集めたのが、「切り株インターフェース」と呼ばれる環境音検出の研究です。これは、斜面などに設置した切り株の根が、地下の水の量増加による振動をいち早く受けることを目指したもの。振動をクラウドに上げ、AIで解析することで、土砂災害などの予兆をアラートするシステムの実用化をめざしています。
また、音響技術の応用は多岐にわたります。
食品:発酵時に音楽を振動で聴かせることで、風味や味を変える技術。
インフラ:道路にセンサーを置き、振動から交通量を計測したり、車種判別などをAIが判定するシステム(三角コーン下に設置可能)。
素材:自然界の構造から学び、スピーカーの強度と軽量化を両立させる要素技術の開発。
昔ながらのオーディオ技術者を増やすための啓発活動にも取り組むなど、オンキヨーは、音響という見えない技術で、産業、環境、そして人々の生活の質を向上させる挑戦を続けています。
|リボーンチャレンジ場外展示 主催/共催へのインタビュー
大阪産業局 MOBIO事業部 石嶺 一樹さん
ー 今回のイベントの狙いについて、お聞かせください。
大阪・関西万博2025のリボーン・チャレンジは、展示期間が1週間で、企業の方々が出展に向けてせっかく準備されたのにそれで終わってしまうのは非常にもったいないと思い、万博が終わった後も、出展した成果を引き続き生かしていただきたいという思いで企画をしています。
ー 初日を終えて、いかがですか。
金融機関の方や、大手企業の新規事業担当者の方が来られていたのが良かったなと。出展された企業の皆さんは中小企業やスタートアップの方が多いので、事業を伸ばすためにはそういった方々のサポートが必要になると思います。そういう支援のきっかけになるいい機会になったのではと嬉しく思います。
ー QUINTBRIDGEとの開催ということで、期待していた点があればお聞かせください。
QUINTBRIDGEでは、大阪産業局としてもイベントを開催させていただく機会が何度もありましたが、コンセプトが「コワーキングスペース」のような作業の場ではなく、共創・コラボレーションを促進する場になっています。様々な自治体や企業が、出会ってマッチングするということを期待して来られているので、まさに万博の場外展示事業の場所としてふさわしいと感じています。集客力もすごく、それだけ認知されているというのは本当にすごいことだと思います。
ー 最後に、今後の展望をお聞かせください。
万博場外展示自体は、1月で最後となってしまうのですが、万博で出展された企業の皆さんとのつながりは、引き続き生かしていきたいと思っています。事業の発展や促進に向けて課題が出てきたら、こちらでサポートしていけるようなアプローチをしていきたいと考えています。
左から)QUINTBRIDGE 運営事務局 湯川 なつみさん、九谷 一彰さん
ー 今回のイベントの狙いについて、お聞かせください。
湯川さん——万博に出展した企業と触れ合う機会というのは、QUINTBRIDGEの会員さんにとっても貴重な機会かと思います。今回、MIBIOさんがリボーンチャレンジを各所で開催されているということで、共創のきっかけとなればとご一緒させていただくことになりました。
九谷さん—— QUINTBRIDGE 3階に入居していただいている企業さんも出展しているときいていましたが、これまで見て触れる機会がなかったので、より深く知れる貴重な機会になったと思います。大手企業から個人事業主まで様々な方にお越しいただき、ビジネス共創の種になるようなつながりが生まれたと思います。
ー 14社のピッチや展示の初日を終えて、いかがですか。
湯川さん——たくさんの方に来ていただけました。交流会でも、出展企業さん同士で活発に情報交換していただけて、良かったなと思っています。登壇企業同士での情報共有ができたのがすごく良かったという声も登壇者の方からいただきました。参加者と出展企業さんだけでなく、出展企業のつながりができたのも良かったと思います。
九谷さん—— 今回のピッチや展示などは、すでにできあがっている事業の話というより、万博を通じて未来につながるような事業が多かったので、QUINTBRIDGEとしても親和性が高かったと思います。
参加者は、小学校や高校の先生から申し込みをいただいていたり、金融関係の方が新しい投資先を探したいという目的で来られていたり、新しい技術探索のためにNTT西日本の社員が来ていたりと、多種多様な方が来られていたのも印象的でした。
ー 最後に、今後の展望をお聞かせください。
湯川さん——展示会イベントが、万博を契機に直近でいくつかありました。実際にサービスやプロダクトを見て、お話をしていただくと、解像度が上がりますし、反応も全然違うというところは感じていますので、こういったイベントがもう少しできても良いのかもしれないと感じています。
九谷さん——過去開催された展示イベントは、最終発表後にで一部を展示するような形が多く、出展者起点で「何をしているのか」を伝える場は貴重だと思います。展示の時間も短いことが多いので、今後はもう少し長い目で設計していければと思います。
営業行為ができない場所だからこそ、出展者側も出会いや共創の種など、何か持ち帰ってもらえるような展示の仕方やつながりの生み方など、ここならではのやり方ができるよう進めていきたいです。
|展示内容の概要 ※順不同
| 企業名 | 展示概要 |
万博出店時企画 |
| スパイスキューブ株式会社 | 都市部に作ることのできる小規模植物工場や小型農業装置の動画やポスターの展示 |
Resona Mirai Color ~秋~ ミライと和の調和(9/2~9/8) |
| verbal and dialogue株式会社 | 画像識別AIとChatGPTにより工事黒板の文字を読み取り、台帳作成を自動化するAI工事写真アプリ「Cheez」の展示 |
みんなで考える未来の街プロジェクト(6/17~6/23) |
| 株式会社イムノセンス | 独自の電気化学免疫測定法「GLEIA」で実現した手のひらサイズの検査キットの展示 |
Resona Mirai Color ~春~ ミライの医療(4/13~4/20) |
| 株式会社toraru | 遠隔地での体験(視覚・聴覚・触覚(一部))をオンラインで共有するプラットフォーム「GENCHI」の展示 |
Series A; セレクション ~輝く未来社会の創り手ここにあり~(8/12~8/18) |
| 株式会社ユニオンドアテック | 「引戸発電システム」の展示引戸を開いた時に巻き上げられたゼンマイローラーが、扉の自重で閉まる際に開放され、増速ギアで、発電・蓄電 |
Series A; セレクション ~輝く未来社会の創り手ここにあり~(8/12~8/18) |
| 株式会社Ring | 植物由来やCO2吸収型バイオプラスチックなど多様なエコ素材を一つの金型で成形する高度な射出成形技術の展示 |
バイオプラスチックでREBORN (8/19~8/25) |
| 多田プラスチック工業株式会社 | 100%バイオマス由来でできた、土の中でも海の中でも微生物が分解する、自然に還る素材の桜のお皿の展示 |
バイオプラスチックでREBORN (8/19~8/25) |
| RIDE DESIGN / ライドデザイン | 宇宙開発の未来を見据えて設計された次世代電動モビリティ『月面探索電動バイク製作PJ / 災害救援でも貢献』の展示 |
Series A; セレクション ~輝く未来社会の創り手ここにあり~(8/12~8/18) |
| BeLiebeコンソーシアム | 自宅でできる卵子検査キット「EggU」(エッグ)の展示 |
みんなで創るミライ社会 「認める。活かす。高めあう。」(7/29~8/4) |
| ハイテン工業株式会社 | これまで熱間鍛造では困難とされてきた耐熱合金の薄肉・中空形状成形を可能とした、新たな鍛造技術の展示 |
少し先の未来生活を支える 「縁の下(E・N・NO・SHI・TA)」 ものづくり企業たち(8/26~9/1) |
| 株式会社With Midwife | ユーザーの健康状態やライフイベントに関する情報がアプリ上に蓄積され、専門家やAIから個別のアドバイスや支援をリアルタイムで受けられるウェルネスマネジメントアプリ「THE CARE」の展示 |
明日が楽しくなる町「スマートヘルスケアタウン」プロジェクト(6/24~6/30) |
| 株式会社HashPort | ステーブルコインやWeb3技術を活用したデジタル資産運用などの、未来の金融の姿を体感できる展示を実施 |
観光の新規事業の実験場 ~観光産業から、関西を元気に~(7/22~7/28) |
| 圓井繊維機械株式会社 | 石油を一切使用せず作ることができる、画期的なサスティナブル素材、POM繊維の展示 |
みんなで描こう、誰もが暮らしやすい社会 ~未来の生き方・働き方~(6/3~6/9) |
| オンキヨー株式会社 | 切り株をセンサーとして地中深くの振動を検出しAI解析、山鳴りなど土砂災害の前兆を音で把握し、カメラでは間に合わない危険を早期に察知し、防災・減災に貢献する技術の展示 |
Resona Mirai Color ~冬~ ミライのテクノロジー(9/9~9/15) |
share