
- イベントレポート
【兵庫県の挑戦】DRONE HYOGOミートアップ〜ドローンで越える!イノベーションの壁~を開催しました!
- 公開日:
- 2024.10.15
ドローンがもたらす新たなビジネスチャンス。かつては一部の産業でのみ活用されていたドローン技術も、近年では物流や農業、インフラ点検、災害対応といった幅広い分野でその可能性が拡大しています。そんな中、兵庫県では過去5年間で50件以上のドローンを活用したビジネスモデルのための実証実験を支援し、次なる産業革命の一翼を担おうとしています。
今回のイベントでは、ドローン事業者が実際に直面している課題や新たなビジネスモデルの構築に向けた取り組みが紹介されました。ドローンにまだ馴染みがない方も、未来のテクノロジーとして注目する方も、誰もが新たな視点を得られる内容が盛りだくさんのイベントでした。
|ドローンの可能性(兵庫県)
イベントは、兵庫県 産業労働部 新産業課 井上 大輔氏による「ドローンの可能性」に関する紹介から始まりました。
近年、ドローンは著しい技術向上と共に法律や環境の整備が進み、関心が急速に高まっています。直近で開催された東京でのミートアップイベントでは、台風にもかかわらず多くの参加者が集まったと話す井上さん。
ドローンは物流、防災、インフラ点検など、さまざまな分野で応用が進んでいます。井上さんは、「飛行機にあってドローンにないものはオペレーションだ。」と、ドローンの柔軟性と汎用性が、将来的な成長を大いに期待できると話します。
特に兵庫県では、テーマを特定せず、あらゆる分野でのドローン活用を奨励しています。実証から実装につながった事業は約24.1%という成果があり、点検や物流以外にも、蜂の駆除といったユニークなドローン事業も生まれていると報告されました。
|【紹介】過去の実証事業説明((公財)新産業創造研究機構)
続いて、公益財団法人新産業創造研究機構(NIRO)による過去の実証事業の紹介が行われました。NIROは、ドローンを含むさまざまな技術分野で実証事業を行い、地域社会や産業界への技術移転を促進しています。
具体的な事例として、ダスキンによる『ハチ駆除サービス』が紹介されました。ハチ駆除のサービスを提供していたダスキンですが、従来の方法では、防護服を着て高所で作業する必要があり、従業員の安全面にリスクがありました。しかし、ドローンの導入により、安全かつ効率的な作業が可能に。
実際にドローンでハチの巣の駆除をする映像を見た参加者からは、「二階や高い場所での作業は危険なので、ドローンと人で役割分担すると安全性が高まりそうだ。」と驚きの表情と感想が出ていました。
倒れん棒による会場撮影の様子
さらに物流分野での成功事例として、神戸ハーバーランドから対岸のポートアイランドへのデリバリー配送用ドローンの実証実験が取り上げられました。この実験は大好評を博したため、実証企業は自社サービスによる定期運行の検討を行っています。
また、(株)神鉄コミュニティサービスが実施した線路上巡回飛行の実用性検証も紹介されました。実証事業の立ち上げに合わせて、「線路点検等でのドローン活用検討会」が立ち上がり、関西私鉄を中心に17社の鉄道会社が所属し、鉄道インフラ点検の新たな運用方法を日々模索しています。
他にもさまざまな事例から、ドローンが物流や防災以外の分野でも、社会の中で役割を果たしつつあり、町中でドローンが飛び交うことが当たり前になる未来への期待が高まっていることが感じられました。
|ドローン事業者によるピッチ(ドローン利活用プラットフォーム会員:5社)
次に、ドローン利活用プラットフォーム会員5社によるピッチが行われ、各社が自社の技術やサービス、県・NIROのサポート、ドローン利活用プラットフォームに期待すること等を紹介しました。
■1社目:株式会社旭テクノロジー
インフラやプラント、太陽光発電所等の点検にドローンを導入して以来、約8年ドローン事業を行っています。コンシューマ、産業機、農業機、物流期の販売・点検・修理や国家資格講習等のスクール業務、点検、測量、空撮、農業、物流と長年の経験を活かし様々な業務を行っています。物流分野で日本初の飛行の実施や市街地中心部での点検といった新しいことにも積極的に取り組み、最新のソリューションのご紹介が可能です。
■2社目:株式会社T&T
2017年9月に兵庫県佐用町の小学校跡地活用としてドローンスクールを開校しました。スクール運営のみならず、ドローンを活用した様々な事業を日本全国で展開しており、特に防災、鳥獣害対策、各種点検分野を得意としています。令和元年度から五年度まで、兵庫県や公益財団法人新産業創造研究機構からのサポートを受けながら、ドローンを活用した様々な研究開発、社会実装を進め、大学等との共同研究事業も多数実施しています。
■3社目:株式会社ミラテクドローン
2017年9月に兵庫県佐用町の小学校跡地活用としてドローンスクールを開校しました。スクール運営のみならず、ドローンを活用した様々な事業を日本全国で展開しており、特に防災、鳥獣害対策、各種点検分野を得意としています。令和元年度から五年度まで、兵庫県や公益財団法人新産業創造研究機構からのサポートを受けながら、ドローンを活用した様々な研究開発、社会実装を進め、大学等との共同研究事業も多数実施しています。
■4社目:株式会社アース・アナライザー
BIM/CIM活用支援業務と同セミナーや建設現場での計測業務、インフラ点検業務を行っています。自社開発した高精度ドローンAnalyzer01はGNSSの位置情報を独自のアルゴリズム解析により正確に取得でき、GNSSが極めて脆弱な場所でも飛行が可能です。また法面などを正対飛行で精密かつ正確にデータが取得できるためデータの抜けがほとんどありません。このような立体飛行によりあらゆる構造物の3次元計測が可能です。
■5社目:株式会社 Red Dot Drone Japan
Red Dot Drone Japanはドローンのソフトウェア開発会社です。遠い場所にあるドローンを操縦して映像をリアルタイムで確認出来る「ドローンの遠隔操縦技術」や、スティック操作を使わずにドローンを飛行させて空撮するアプリ「SkyCoach」を提供しています。また撮影した映像を元にAIによる不審者や物体の行動分析を行ったり、グラフィカルな情報を映像に組み込むデータの可視化技術も提供しています。
|ドローン利活用プラットフォームの紹介((公財)新産業創造研究機構)
続いて、NIROが運営する「ドローン利活用プラットフォーム」の紹介が行われました。
このプラットフォームは、兵庫県内外のドローン事業者や関連団体が技術と知見を共有し連携を深める場として機能しています。物流、点検、農業、空撮、防災、環境モニタリングなど、さまざまな分野でのドローンの利活用が進んでおり、プラットフォームを通じて、ドローン事業の拡大・活性化につながる活動を目指しています。
特に、物流分野ではドローンによる配送が地域住民の生活を支える一助となりつつあります。また、防災の分野でも自然災害発生時の迅速な対応にドローンが活用され、自治体と民間企業の連携が強化されています。今後も、より多くの事業者や団体がプラットフォームに参加し、産業育成・技術革新・企業間連携が加速することが期待されています。
|兵庫県のスタートアップ支援施策の紹介
兵庫県はスタートアップの支援を積極的に行っており、補助金や支援拠点を提供しています。
また、オープンイノベーションを推進するために、さまざまな業界からの人材を登用し、ビジネスモデルの多様化を図っています。従来の枠組みにとらわれず、新しい視点からのビジネス展開を推進するために、官民一体となって取り組んでいることが語られました。
|ネットワーキングタイム
イベントの最後に行われた恒例のネットワーキングタイムでは、参加者同士が自由に交流し、新たなビジネスの芽を模索する場が設けられました!
登壇したドローン事業者や兵庫県の関係者が直接話し、具体的なコラボレーションの可能性について意見を交換する姿が見られました。
参加者は、ドローン技術の社会実装に向けた具体的なアイデアを持ち寄るなど、地方創生や社会課題の解決に向けて、ドローン技術が今後ますます重要な役割を果たすことが期待できる時間となりました!
今後も、QUINTBRIDGEでは、社会の課題を解決する共創事業を生むために、イベントやプログラムを開催していきます!リアルで交流できるのがQBの醍醐味。ぜひ現地へお越しください!
イベントページはこちら:https://www.quintbridge.jp/calendar/
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