【武庫川女子大学×QB】想いある事業者✕意欲高い学生の可能性を考えるワークショップを実施しました!
  • イベントレポート

【武庫川女子大学×QB】想いある事業者✕意欲高い学生の可能性を考えるワークショップを実施しました!

公開日:
2024.8.23

2024年8月6日(火)、国内でも先進的な実践学習を推進している武庫川女子大学 経営学部とQUINTBRIDGEの共同企画として、事業者を迎え、「社会を変える無限の可能性を考える」アイディエーションを開催しました。

 今回想いのある事業者として学生に問いを投げかけてくれたのは、「無添加こどもグミぃ〜。」を開発した気鋭の起業家、株式会社やまやま 代表取締役 猪原有紀子さん。

 QUINTBRIDGE所属の起業家と学生による議論を通じて、事業×学生の可能性を考えるワークショップイベントの様子をレポートします!

|事業×学生の可能性

近年、教育現場ではPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)を取り入れた実践的な授業が広がり、学生たちが企業や自治体の課題に対して提案を行う機会が増えています。これに伴い、企業と学生の連携がますます注目されている一方で、参加する企業は社会貢献や新卒採用に強い関心を持つ企業などに偏っている傾向です。

そこでQUINTBRIDGEでは、学生とのコラボレーションを通じて事業の新たな可能性を模索する場を提供しています。本イベントは、学生にとっては授業を超えたリアルな事業の現場を体験できる貴重な機会となり、事業家にとっては学生のフレッシュな視点を取り入れるチャンスでもあります。もちろん、学生が直面する課題は容易なものではありませんが、この経験が将来のキャリア形成に大きな影響を与える可能性も秘めています。

本イベントは、実験的な場として気軽に参加いただけるよう、企業側も、学生との継続的な連携を前提とせず、まずはその可能性を探る機会として位置づけています。

今回で2度目の開催となる「事業×学生」のワークショップ。今回はどのようなアイデアが生まれるのでしょうか!

|ワークショップスタート!株式会社やまやまの「問い」とは

ファシリテーターを務めるのは、武庫川女子大学 経営学部 まなびコーディネーター/株式会社Playable 時任啓佑さん。
産学連携を推進するマネージャーでもあります。

 学生は、武庫川女子大学、関西大学、近畿大学などから参加し、経営学部や社会学部など学部もさまざまです。

そして、事業家としてワークショップのお題を提供してくれた株式会社やまやま 代表取締役 猪原有紀子さんは、パワフルな笑顔と声で、学生との距離を縮めていた様子が印象的でした!

 ワークショップのお題を発表する前に、やまやまの事業を紹介し、前提条件を学生に伝えます。

 やまやまは、「子どもにとっていい社会を残す」をミッションに掲げ、身近にある社会課題の解決に向けた事業を行っています。主に、廃棄果物や耕作放棄地、過疎地域、障がい者、子育てママの課題を解決する事業を展開。自然体験施設などの店舗事業や、「無添加こどもグミぃ。」などを取り扱っています。

 2023年には、日本初の女性の社会起業スクールSBCを開校。開校1年で60名の受講生が殺到し、ビジコン優勝者、経産省のアクセラレータープログラム合格者を7名輩出するなど、事業家として躍進する猪原さん。

 「今日は学生の皆さんが、事業責任者です!」

と明るくパワフルな声に、学生も背筋が伸びていました。

"事業責任者"として売上を倍にするために何をする?

いよいよ、ワークショップのお題の発表です。

 「今日の皆さんのミッションは、売上を倍にすることです!」

 やまやまの無添加グミ事業を題材に、売上を倍にするための施策を学生が考えます。

まずは、グミ事業の紹介など前提条件を、マーケティングのフレームワーク「4P」(プロダクト、プロモーション、プライス、プレース)に沿って学生に伝えます。

続いて、ワークショップの間は本事業の”事業責任者”である学生から、社長の猪原さんへ質問タイムです!

 「グミのマーケット規模はどのくらいですか。」

→「調べましょう!それは、社長にする質問じゃありません!」

「定期購入者は何割ですか。」

→「いい質問です!○○割です!」

 「歯医者での取り扱いはどういった目的ですか。」

「パッケージの形態は変えられますか。」

「継続率はどのくらいですか。」

「無添加ぐみぃのセールスポイントはどこですか。」

学生は積極的に、施策のヒントとなる質問をしていきます。猪原さんも、学生だからとすべてに優しく回答はせず、調べる時間を取ったり、角度が低いアイデアはどこが問題かを伝えたりと、実際の会社の会議のような雰囲気に、学生の表情はますます真剣に!

続いて、アイデアブレストをグループで行います。

まずは3分間、各自話さずに付箋にアイデアを書き出しました。

その後、テーブルごとに自己紹介とアイデアの共有を行い、お互いのアイデアを組み合わせながらインスピレーションを得て、新しい案を出すなどブレストを行いました。

 ・メディア露出を増やす

・ペットフード市場を狙う

・SEO対策をする

・キャラクターコラボ

・大人向けサプリ市場を狙う

・大容量バージョンを展開して、単価アップ

など、市場をずらす案や、集客を伸ばす案、1人あたりの購入単価を上げる案などさまざまなアイデアが飛び交います。

アイデア出しの最中も、猪原さんへの質問が飛び交います!

 「実はそれは試したけどこういう理由があって…」

「それいいアイデアだね!でも、売上は倍になるかな?」

「スマホ出して調べてみよう!」

 猪原さんの導きに、ワクワクと積極的にアイデアをブラッシュアップしていく学生たち。

そしてさまざまなアイデアが出た際に、猪原さんが事業に対する施策を考える際に大切なことを学生に伝えます。

「それって、私たちのミッションである『子どもにとっていい社会を残す』に沿っているかな。うちの会社のミッションである『社会課題を解決する』から逸れてないかな。その視点で、もう一度考えてみて!」

 大切な前提条件から逸れないよう事業責任者(学生)を本筋に戻す”社長”。後半になるにつれ、学生たちの意識も変わっていきます。柔軟な発想をしながらも、いま考えているアイデアは現実的かどうか、猪原さんに小まめに確認をするようになっていました。

アイデアを出した後は、具体的なアクションプランに落とし込むための例を紹介し、実際の事業では案だけでなく実施計画まで落とし込む大切さを伝えます。

|学生の施策アイデアを発表

学生は、「事業責任者の○○(名前)です。」のフォーマットで発表していきます。

1つ目のグループは、ECでの売り上げ1割、小売りが1割の現状に注目。プレゼント訴求の強化による百貨店などの売り上げアップを提案しました。複数の案の中で、もっとも売り上げが上がると考えたのは、「幼稚園・保育園に置く」というアイデア。親御さんに認知を広げる目的です。

 社長からは、「それだったらウェブ広告で認知を広げる方がいいかもしれない。ただ、ブランディングという文脈においてはいいですね!」と飴と鞭なコメントをもらいました!

二つ目のグループでは、ターゲットの年齢が4歳になると離脱してしまうという点に注目。年齢に合わせた食べ方のレシピ提案をし、年齢層が上がっても定期購入してもらえる=LTVを伸ばすという案を提案しました。新規顧客の獲得コストがかからないというメリットもあると話します。

社長からは、「いい着眼点だけど、4歳になったお子さんを見て成長を感じてグミをあげるのを辞める親御さんが、レシピを届けたからといって継続するかな。もし本当に事業責任者なら、それで本当に売り上げが上がるか、やってごらん?お客さんとZOOMをセットして話聞いてごらん?と言いますね。」と事業化ならではの真剣なコメントが炸裂します。

 ほかにも、無添加というワードは実際に無添加100%ではないという点に注目し、「超無添加」というワードを広め、無添加おやつ界でのポジションを確率するという提案など、さまざまな角度からの案が出ました。

 学生からのリクエストにより、2つ目のテーマは、キャンプ事業。自然体験施設事業についてもアイデアワークショップを行い、大いに盛り上がりを見せました!

|学生の感想

武庫川女子大学 経営学部経営学科 二回生

打越 菜七さん

 「こういうワークショップに参加するのは初めてで、学校でするワークとは内容も違って、考え方もレベルが高いなと感じました。他の参加者のアイデアを聞いて、そんな考え方もあるんだと勉強になりましたし、自分になかった考え方をここに来たからこそ考える機会ができて良かったです。」

  

関西大学 社会学部 三回生

神吉 来春さん

「いま大学で、PBLという課題解決型の授業を受けているのですが、取り組むメンバーが同じ大学や同じ学部ということもあって考え方が凝り固まってしまうことがあって。同じ意見に偏ってしまうことも多いのですが、今日のように違う大学の、積極的な学生が多い中でお話できたのが、自分の経験としても良かったです。QUINTBRIDGEの存在は知っていたのですが、来たのは初めてでした。誘ってくれた友人に感謝したいです!

|事業者 猪原さんからのコメント

株式会社やまやま 代表取締役 猪原 有紀子さん

 「夏休み期間中なのに京橋まできて、こういったイベントに参加しようというのは素晴らしいなと思いました。やはり、『アイデアには何の価値もない』というところが大事かなと思うので、今日の経験をどう使っていくのか、そこを皆さんにはぜひ頑張ってほしいと思います。

 学生から出てくるアイデアとしては、予想通りではありましたが、皆さん本当に一生懸命、自分のインプット量なりにチームに貢献しようと努力する姿勢が良かったなと思います。」

 

イベント後も、和歌山に帰る準備をする猪原さんを捕まえて、質問する学生たち!

本イベントを通じて、事業家と学生が互いに刺激し合い、新たな価値創造が生まれることを期待しています。未来のビジネスを担う若い世代とともに、社会をより良くするための一歩を踏み出しましょう!

share

ライブラリ一覧に戻る