日本では、急速EV充電の設置数が105箇所と世界的に見ても少なく、集合住宅ではEV充電が難しいという課題があります。当社製品は、超急速充電で約30分でフル充電が可能です。最大150kWの高出力、再エネで蓄電池に充電して利用します。
グランフロント大阪、成田空港、スターバックスコーヒーなど拠点拡大中。2024年には100箇所オープン、2030年7000箇所まで拡大方針と急成長をめざします。
「EV社用車・営業車保有企業様とのビジネス協業、導入検討いただけると幸いです!」
2024年5月29日(水)QUINTBRIDGEピッチプログラム
Shining Startup 第11回 グリーントランスフォーメーション特集を開催しました!
化石エネルギー中心の産業・社会構造を、脱炭素社会に向けて再生可能なクリーンエネルギーに転換していく取り組みである、グリーントランスフォーメーション(GX)。
経済社会システム全体のイノベーションに挑戦する、GXスタートアップ企業5社のピッチの様子をレポートします!
NTT西日本 イノベーション戦略室 洞桐より「グリーントランスフォーメーション(GX)」について紹介
「グリーントラストフォーメーション(GX)」は、世界で注目を集めている分野であるのはもちろん、日本でも2030年度に温室効果ガス46%削減(2013年度比)、その先には50%削減をめざすことを表明しています。そのため日本政府は、「2050年カーボンニュートラル宣言」に向けて、イノベーション支援を二兆円基金により実施予定と、非常に注目されています。
さらに、2050年にネットゼロを達成するために、既存ソリューションである「再エネ」「省エネ効率化」「電化」はもとより、今までにない革新的な技術によって削減が必要だと言われています。
そんな気候変動領域におけるソリューションは、「排出抑制」と「回収」の二つに大きく分類され、貯蔵、利用、回収まで数多くの論点と、スタートアップの活躍領域が多くあり、世界で見ても、2022年のClimate Tec(気候テック)への投資額は701億ドル、昨年度比89%増と、マーケットの注目度は高い領域となっています。
今回は、
・再生エネルギー電力(株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ)
・カーボンクレジット取引(株式会社フェイガー)
・蓄電/送電(株式会社パワーエックス)
・EV充電/シェア(ユビ電株式会社)
・マテリアル(株式会社CBA)
各領域で輝きを放っているスタートアップ5社に登壇いただきます!
■ユビ電株式会社 社長室 共創ディレクター 寺岡 孝敏 様
|誰でも「じぶんの電気」を自由に使える電力環境の構築
ユビ電は誰でも「じぶんの電気」を自由に使える電力環境の構築を目標に、エネルギー利用のイノベーションに取り組んでいます。その大きな一歩が、快適なEVライフを実現するサービス「WeCharge」です。アプリ認証でどこでも手軽に充電が可能。独自プラットフォームと通常のコンセントを用い、スマホアプリ一つで全駐車場にスマート充電環境を整えます。
EV普及で脱炭素をめざすスタートアップ、ユビ電。
多くの企業がEVの導入を考えますが、
・大きな設備がたくさん必要
・設備の規格変更対応が大変
・充電時間が長いが、航続距離が短い
・充電場所が少ない
・電力が足りない
等、多くの課題に遭遇します。
しかし、これらは大きな課題ではありません。ガソリンの給油と同じようにEV充電を捉えるのではなく、スマートフォンをご自宅で寝ている間に充電するのと同じように、電気自動車も停まっている際に充電終了が可能、通常は自宅で充電する「基礎充電」を利用することが多いと言われています。
一方で、マンション居住者は駐車場の電源を使えない方が東京都で約7割、大阪市の共同住宅住まいでも約7割います。
この課題を解決するのが、「WeCharge」です。充電器と電気自動車を繋げておくということは、電力グリッドと接続していることが最大の強みです。エネルギー受給の調整役として、脱炭素へ貢献します。導入事例は、400室以上の物件や、10室以下の物件など小〜大規模まで導入実績があり、なかでも伊丹空港の予約式駐車場 全184区画へ、EV充電サービスを3月より開始しています。
「プラグ型は手のひらサイズ。実機デモを会場に用意しています。ぜひ一度体感してみてください!」とお話しいただきました。
■株式会社フェイガー CSO 上本 絵美 様
|農業由来カーボンクレジットの生成・販売するディベロッパー
当社は農家と共同して脱炭素農業を推進し、その取組の成果をクレジット化した収益を農家へ還元しています。生成したクレジットは「日本の農業を収益性向上に貢献する」付加価値のついたクレジットとして企業に提供。今後日本でも必要になる「高品質なカーボンクレジットの安定的な供給」を担うプレイヤーです。
農業と脱炭素は馴染みがないように思われますが、実は世界全体のCO2のうち約10%が農業由来。運輸と同等の数値となっています。しかし、日本及び東南アジアでは、農地の脱炭素はほとんど進んでおらず、企業が先導を切って取り組まなければならない課題の一つです。
農業分野の温室効果ガス削減のポテンシャルは大きく、国内の水田中干し/AWDによる削減ポテンシャルは300万t-CO2分、東南アジアでは1.6億t-CO2分が手付かずの状態。稲作ではメタン生成が進みますが、解決策として、「AWD」という、水マネジメントにより水田から排出されるメタンを抑制する手法も出てきています。フェイガーでは、農家ともカーボンクレジットを生成し、企業のカーボンクレジット調達をサポートしています。システム・IoTを活用し、農家フレンドリーなオペレーションを構築。また、高品質なクレジット創出を実現するクオリティマネジメントを実施しています。
また、企業に販売するクレジットのうち、半分を生産者へ還元し、脱炭素の文脈で、日本において収益性の低い農業へ貢献しています。2023年には、60農家と6000t-CO2の生成に成功。2024年には1000農家と70,000t-CO2分の生成が射程圏内、33都道府県の脱炭素化に取り組みます。
「農業由来カーボンクレジットの購入・ご活用を通じて、農業の脱炭素化支援をしていただける企業様を募集しております。」とお話しいただきました。
■株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ 執行役員 岩﨑 哲 様
|GXとDX〜グリーンエネルギーがめぐる世界の実現〜
流通小売/物流をメインに企業のグリーントラストフォーメーション(GX)を推進。太陽光オンサイトPPAモデルで国内No.1シェア※。不安定で管理が難しい再生可能エネルギーを、デジタルテクノロジーを使ってコントロールし、太陽光・蓄電池・EVチャージャーなどのGXソリューションを統合的に提供。分散型再エネの地産地消モデル構築を通じ、グリーンエネルギーが地域をめぐるサステナブルな世界の実現をめざします。
(※)富士経済 再生可能エネルギー発電システム・サービス市場/参入企業実態調査2024 第三者所有モデル(PPA、リース)・非住宅(10kW以上)・2023年度見込
日本は、エネルギー自給率が約10%と海外に頼っている状況です。これを再エネで自給率を高めていき、地域経済の発展を含めて、分散エネルギーをどう活用していくかは社会課題としても非常に重要です。当社では、商業施設の屋根上の太陽光発電を活用した事業を展開しており、オンサイトPPA国内シェアNo. 1の実績となっています。稼働済み発電所は850施設以上になり、東京ドーム約40個分の面積になります。また、日本企業として初となる「GX Unicorn」に選出され、脱炭素分野で急成長する世界の有力スタートアップとして注目いただいています。
当社が手がける「R.E.A.L. New Energy Platform®」とは、太陽光発電、蓄電池、EVなどの分散型エネルギー源をネットワーク化し、需給調整する「VPPプラットフォーム」です。AI予測、クラウド、IoT制御を活用することで、本プラットフォームを通じて、全国850以上の施設・45都府県のVPP発電所を遠隔管理しています。
日本は森林が多く、太陽光発電に適していない土地の割合も多いですが、屋根上のポテンシャルは多くあるといわれています。そこで、「AI屋根検索システム」を自社開発。航空写真のデータをAIが解析することで、地域単位で屋根太陽光の導入ポテンシャルを把握可能としました。
また、北九州市との公共施設の再エネ導入や、和歌山市との脱酸素参考地域公民連携、東急不動産と共同で新会社設立など、自治体や企業と連携した事業共創も生み出しています。
「企業の皆様とは、アライアンスや事業連携、GX経営転換&再エネ導入の検討やディスカッションをぜひできればと思います。また、自治体の皆様とは、地域企業×スタートアップのマッチングイベント企画や、地域GX・オンサイト再エネ普及の検討やディスカッションなどを期待しています!」とお話しいただきました。
■株式会社パワーエックス EVチャージステーション事業部 マネージャー 岡田 泰地 様
|純再エネで未来につながるEV充電を
私たちは自然エネルギー普及を目指し、国内最速級150kW対応の蓄電池型超急速EV充電器の製造・販売と「PowerXチャージステーション」を展開しています。再生可能エネルギーを利用し、非常用電源やエネルギーマネジメントにも対応。充電器設置や社用車のEV化に伴う急速充電の提供など、充電に関する幅広いご要望にお応えします。
日本政府は、太陽光発電を2030年までに約2倍とする方針で、現在は再エネの変動を火力が調整していますが、今後は「新たな調整力」が必要だと考えます。その調整力がまさに蓄電池で、今後市場は拡大し、2050年には累計28兆円になると予想しています。
そんななか、累計資金調達額 232.6億円、「自然エネルギーの爆発的普及を実現する」をミッションに掲げる当社。ものづくりのベンチャーとして、岡山に日本最大級の蓄電池工場を作り、大量に蓄電器を製造。主な製品は、蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger」、商業用定置用蓄電池「PowerX Cube」、コンテナ型定置用蓄電池「Mega Power」を展開しています。
パワーエックスの強みは、ハードとソフト、再エネ供給の組み合わせにあります。ハードの開発・生産では日本製・安全性が評価されており、自社製造のためローコスト、大量供給が可能です。また、それらをコントロールするソフトウェアも開発しており、電力需要予測や自動入札・約定処理、AIによる自動運用が可能です。さらに再エネの供給とトータルソリューションを提供しています。
日本では、急速EV充電の設置数が105箇所と世界的に見ても少なく、集合住宅ではEV充電が難しいという課題があります。当社製品は、超急速充電で約30分でフル充電が可能です。最大150kWの高出力、再エネで蓄電池に充電して利用します。
グランフロント大阪、成田空港、スターバックスコーヒーなど拠点拡大中。2024年には100箇所オープン、2030年7000箇所まで拡大方針と急成長をめざします。
「EV社用車・営業車保有企業様とのビジネス協業、導入検討いただけると幸いです!」
■株式会社CBA 取締役COO & CFO 城野 洋一 様
|「廃棄物データで解き明かすエコロジー:環境負荷の見える化と循環型社会の構築」
地球環境の保全には、資源の枯渇防止や温室効果ガス(GHG)排出量の抑制が不可欠であり、循環型社会、すなわち
サーキュラーエコノミーへの移行が求められています。このため、資源の有効活用と廃棄物の資源化が一層重要となっていますが、どのような廃棄物が誰によってどのように排出され、処理されているかといった基本情報すら、現状ではまだ十分に把握できていません。持続可能な未来を切り拓くために、廃棄物データの収集・可視化・分析を通じて資源循環の実現に向けたアプローチを提案します。
廃棄物DXプラットフォーム「CBA wellfest」は、廃棄物データ収集、解析・可視化、資源化支援などの廃棄物処理業務のDXにより、業務最適化や法令遵守プロセスを支援し、的確なデータ管理と分析で資源循環(リサイクル)社会形成を加速するクラウドサービスです。企業が行う廃棄物処理の業務プロセスを一気通貫で支援し、紙マニフェストと比較して約90%の工数削減が可能。さらに、拠点間のデータを比較し、コストや処理方法を最適化、環境不可減少へのアクションに繋がります。
2022年4月よりサービス提供開始し、現在80社以上が導入。メーカーや小売・流通などさまざまな企業が活用しています。
今後、集めた実務データをダイレクトに活かし、廃棄物ビッグデータを効果的に収集。廃棄物データを起点とした資源循環ビジネスのポテンシャルは、例えば、自社製品の回収・資源化、CE実現のための共同PJ展開、ESGデータ開示・信頼性評価、リサイクル原料の安定的な確保などさまざまです。
「ぜひ、廃棄物リアルワールドデータを活かした、サーキュラー・エコノミー実現プロジェクトの共同開発をしませんか。」とお話しいただきました。
URL:https://www.cba-japan.co.jp/
ピッチ後に登壇いただいた5社のソリューションを体験できるブースを設置しました!
製品を体感しながら、可能性についてディスカッション、気になる点を直接質問いただくなど会員さん同士で活発に交流する様子が見られました。
QUINTBRIDGEでは、ユーザーの皆様の「共創」のきっかけとなるようなイベントを多く開催すると同時に、会員の皆さんが主役のオープンイノベーション施設です。「こんなテーマで〇〇ミートアップをしてみたい。」という会員の皆さんのアイディアを、ぜひご気軽に QUINTBRIDGE スタッフに相談してださい!
▼過去のShining Startup ピッチプログラムの様子はこちら
第10回 関西大企業発スタートアップ特集<AI・IoT編>
https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202404041747.html
第9回 関西大企業発スタートアップ特集
https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202401292309.html
第8回 ヘルスケア特集
https://www.quintbridge.jp/about/library/detail/202310231706.html
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