「林業界と他業界の新たな共創を考える」ワークショップ&交流会 【テーマギャザリング第8回】
  • イベントレポート

「林業界と他業界の新たな共創を考える」ワークショップ&交流会 【テーマギャザリング第8回】

公開日:
2023.6.29

2023/5/22(月)「林業界と他業界の新たな共創を考える」ワークショップ&交流会【テーマギャザリング第8回】を開催しました!

「林業の現状ってどんな感じだろう?」
「会社として林業や森林に関わっていきたいけど、何から行えば良いか分からない。」
「他社の方と林業に関する情報交換・交流をしたい。」

そんな方に、林業・森林に関する情報を集める・自由にアウトプットしてみる・他の方々との交流を深める場を提供すべく、QB共創パートナー(法人会員)である株式会社ソマノベース様にテーマオーナーになっていただき、テーマギャザイングを開催しました。

当日は、
・林業・森林に興味がある方
・会社として林業・森林に関する事業や取り組みを今後行っていきたい方
・すでに林業・森林に関わっているが、新たなアイデアのきっかけが欲しい方
と様々な方に参加いただきました!

そんなワークショップと交流会の様子をレポートします!


|テーマギャザリングとは

テーマギャザリングは、QB共創パートナー(法人会員)を中心にして行う、ビジネス共創の議論・交流の場です。
過去には、「自治体と繋がる」「サッカービジネス」「食品アップサイクル」等のテーマで開催しました。


|プログラム概要

今回のテーマは「林業界と他業界の新たな共創を考える」。
 
<プログラム内容>
・林業の現状について知るセミナー
・アイデア出しワークショップ
・交流会
 
ワークショップは、「林業に関するキーワード」と「参加者(または参加者の企業)のアセット」を組み合わせた共創内容を考えて発表する形式です。


|セミナー登壇者

奥川季花(おくがわときか)|株式会社ソマノベース 代表取締役

災害リスクの低い山づくりをめざし設立した(株)ソマノベースの代表取締役をつとめる。 育てた苗木が木材製品として戻ってくる、購入者が山づくりに参加できる新しい形の観葉植物「MODRINAE」を発表し、林野庁補助事業のWood Change Award にてブロンズ賞を獲得、その後同製品にてクラウドファンディングを成功させる。 大学時代からソーシャルビジネスに関わる活動をしていたこともあり、社会課題を解決していくビジネスにとても関心があり、林業を通して防災をしていくことはもちろん、大好きな地元和歌山県に関わる人を増やすことを目指す。
https://somanobase.com/

(イベント企画担当)
株式会社ソマノベース 浅利知波瑠
NTT西日本 イノベーション戦略室 下川哲平/宮永峻資


|イベントレポート

まずは、現状の林業、そしてソマノベースの創業のきっかけ等を株式会社ソマノベース 浅利さん、そして奥川さんよりお話いただきました。
ソマノベースは和歌山県出身の奥川さんが、紀伊半島大水害で被災したことがきっかけとなり「土砂災害ゼロ」を目指す林業ベンチャーとして創業されました。
紀伊半島大水害では慣れ親しんだ町は変わり果て、仲のよかった後輩のひとりを失います。

当時高校1年生だった奥川さん。
「家を出ると景色が変わっていたんです。元々あった美しい自然に恵まれていたことにも被災して気がつきました。そして地元を守りたい。私と同じように悲しい思いをする人を増やさないためにできることがしたいと思ったのがきっかけです。」

参加者の中には、同郷の和歌山の法人会員さんも参加されていました。
真剣な表情でソマノベースの背景にある思いに耳を傾けます。

自然災害に対してできることはないかを模索するうちに、2012年から全国で約1,450件の土砂災害が起こっており、発生率は右肩上がりということ、そして林業と水害の密接な関係に着目するようになりました。
現状の課題のひとつに、川に丸太や土砂がたまることがあります。行政も撤去するお金がなく、また田辺市に伐採後に木を植えられていない・木を植えるという投資ができないという課題があります。
「なぜ木を植えるのかメリットが分からない」「現場作業員の不足や安全性の問題がある」という意見も多く、まずは「木が伐採されたままだと山の保水力が低下し、土砂災害が発生する可能性が高まる」ということへの理解を広げること、そして作業員の確保から取り組む必要があります。

奥川さんは、
「林業に携わっている企業・人・行政とはもちろんのこと、違う業界の方から関心を持っていただくことも大切にし、共創に繋げていきたい」
と語ります。


|ワークショップの様子

セミナーでは参加者からも積極的に質問があり、
ワークショップでは、「自社のリソース」 × 「森林資源」をカード形式で組み合わせ、出たカードに対してアイデアを出していきました。
参加者の自社リソースをカードに書き出す際には、自然とグループ内で会話が生まれます。

「若い」「73期目」「木のおもちゃ」「1000人社員」「AIで色判別ができる」
さまざまな気になるキーワードが!
意見交換する中で会員同士がどういったアセットを持っていて、どういう価値観なのか、どのような課題があるのかを知っていく様子が見受けられました。

共創アイディア発表の一部をご紹介!
「越境人材」×「健康・癒し」
「シン・アドベンチャーファミリー」をテーマに、森林に興味のある方にセラピーを開催。古屋や家具を作ったり、森の生活を提案します。

「若い」×「きのこ」
きのこ栽培区画を使った、環境教育を提案。
また、松茸をとれる山をECを通して販売。区画を買った後は「現地に足をはこべるツアー」をして、リトリート体験と環境への理解を深める活動を行います。

様々な領域から集まったアイデアはとてもユニーク!

ソマノベースの奥川さん、浅利さんも楽しそうに皆さんのワークの様子を見て、話して、交流を深めていました。


|QUINTBRIDGE運営スタッフの想い

(NTT西日本 イノベーション戦略室 下川)
テーマギャザリングでは、少人数のミートアップやワークショップを開催し、会員様同士の交流が深まり、共創が生まれる場を提供したいと思っています。
テーマ内容は基本的には、法人会員さんからの持ち寄り企画や、私たちが会員の皆様と交流することによって会話の中から生まれたアイデアです。
我々がテーマを考えると、固定的になってしまったり抽象的になったりしますが、会員に持ち込んでいただくことにより具体的な課題のテーマで開催ができています。
参加者はもちろん、主催していただいた法人会員の方からは、普段出会えない多様な領域の方と繋がりを持つことができ、課題について話せることへのメリットも感じていただいています。
今後は「食料安全保障」「アート問題」「モビリティ」等のテーマを企画しています。


|参加者の声

「参加したきっかけは、環境に対する取り組みに興味はあったがどういったことから始めればよいか分からずお話を聞いてみたかったからです。林業とは別の領域を普段はしていますが、今回で理解を深められたらと思っています。」
「展示会でソマノベースさんを知り、「MODRINAE(戻り苗)」を社内でも取り入れさせていただいていることがきっかけで参加しました。社員からも環境に良いことに参加していることに対して好評で、今後もできることから続けていきたいです。
QUINTBRIDGEには初めて来ましたが、普段会う機会がないような領域の方がいて興味深いです。」
「普段は税理士法人をしていますが、講師の方と同郷で、地元の課題に貢献したいという思いがあり参加しました。地元貢献に「林業」は避けては通れないテーマなので、お話を聞いてみたかったです。」


|まとめ

ワークショップ後、「MODRINAE(戻り苗)」を購入したくソマノベースさんのサイトを訪問したスタッフ。実は季節の問題でいまは売り切れとなっているそう!
また販売再開予定とのことで、それまで少し待ちながら環境・地域社会への理解を深めていきたいと感じました。
ソマノベース奥川さん、浅利さん、ご登壇ありがとうございました!

今回参加された方は、初めてQUINTBRIDGEに来られた方も多く、「普段出会えない領域の人・企業・団体との出会い」に魅力を感じていただいているとお答えいただきました。
テーマギャザリングは興味のある話題や同じ課題について集まり交流することができ、より一層仲間意識や共創への思いが濃い時間となっているようです!

今後もQUINTBRIDGEのサイト、イベントページにて告知・募集していきます。
また開催したいテーマも随時募集しておりますの!
法人会員の方はご気軽にQUINTBRIDGE運営局にご相談ください。
イベントページ:https://www.quintbridge.jp/event/

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